児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

 同居少女に対する性行為2回につき、青少年条例違反で逮捕され、監護者性交等罪2件で起訴された事例(小樽支部)

 この類型は、従前は児童淫行罪(1月以上10年以下の懲役)の包括一罪でしたが、h29..7.13以降の行為については監護者性交等罪(一八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による(五年以上の有期懲役に処する。))も適用可能になりました。
 同一児童に対する数回の監護者性交等罪の処断刑期は、包括一罪とすると5~20年になりますが、併合罪とすると、5~30年になることになって、罪数処理も争点になります。
 奥村は、包括一罪説です。
 児童淫行罪が起訴されていれば科刑上一罪(20年)のところ、児童淫行罪は起訴せずに併合罪(~30年)とするような運用(かすがい外し)には警戒してください。
 こういう問題がある重罪なのに、青少年条例違反で逮捕され、捜査段階は国選弁護を受けられていないという面では、気の毒でした。

刑法(h29改正後)
(強制性交等)
第一七七条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。一三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
(準強制わいせつ及び準強制性交等)
第一七八条
1人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
(監護者わいせつ及び監護者性交等)
第一七九条
1十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2一八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。
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児童福祉法(児童淫行罪)
第三四条[禁止行為]
1 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
六 児童に淫いん行をさせる行為
第六〇条
1 第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

監護者性交等罪 道内で初の起訴=北海道
2017.09.27 読売新聞
 札幌地検小樽支部が、小樽市の会社員の男(67)を監護者性交等罪で札幌地裁小樽支部に起訴していたことが26日、わかった。同罪での起訴は道内で初めて。
 起訴状などによると、男は7月17日と20日、同居する少女を監護する立場を利用し、少女が18歳未満と知りながら性行為をしたとされる。男は少女の母親と祖母と同居していたという。
 男は同月、道青少年健全育成条例違反で逮捕、送検されたが、札幌地検小樽支部はより量刑が重い同罪で8月10日と9月19日に起訴した。
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監護者性交罪:小樽の男を起訴 道内で初 /北海道
2017.09.27 毎日新聞
 同居していた女性の娘に性行為をしたとして、札幌地検小樽支部小樽市の会社員の男(67)を監護者性交罪などで起訴していたことが分かった。7月施行の改正刑法で新設された監護者性交罪が適用されたのは道内で初めて。

 地検などによると、男と娘に血縁関係はなく、道青少年健全育成条例違反(淫行)容疑で逮捕、送検されたが、男が生活の面倒を見ていたことなどから、親と同様の「監護者」と判断。より量刑の重い同罪を適用し、8月10日に起訴した。

 監護者性交罪は、親などの「監護者」が18歳未満の少年少女に対し、立場や影響力を利用してわいせつ行為などをした場合、暴行や脅迫がなくても処罰される。