児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

名誉毀損・私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律違反(リベンジポルノ)につき、求刑1年6月に対して、800万円で示談したこと等を考慮して、懲役1年6月執行猶予2年とした事例(神戸地裁h27.10.27)

名誉毀損・私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律違反(リベンジポルノ)につき、求刑1年6月に対して、800万円で示談したこと等を考慮して、懲役1年6月執行猶予2年とした事例(神戸地裁h27.10.27)
 そこまで高額示談しなくても執行猶予になりますけど。
 包括一罪も主張しましょう

私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律違反,名誉毀損被告事件
神戸地方裁判所判決平成27年10月27日
       主   文
 被告人を懲役1年に処する。
 この裁判が確定した日から2年間刑の執行を猶予する。

       理   由

(犯罪事実)
 被告人は,十数年前に交際していたAの裸の画像をインターネット上の画像投稿サイトに投稿して,自分の欲求を満たそうと考え,
第1 平成27年1月27日午後1時20分頃,肩書住所地の自宅で,インターネットに接続されたパーソナルコンピュータを使用し,前記A(当時38歳)の露出した胸部及び顔貌等が撮影された同人の全裸画像を,三重県松阪市内に設置されたBが管理するサーバコンピュータ上に開設されたインターネット画像投稿サイトCに送信して同サーバコンピュータに記憶・蔵置させ,不特定多数のインターネット利用者が同画像データを閲覧できる状態にし,
第2 同年5月13日午前零時7分頃,東京都千代田区ab丁目c番d号ef号室において,インターネットに接続されたパーソナルコンピュータを使用し,前記Aの露出した胸部及び顔貌等が撮影された同人の全裸画像を,千葉県鎌ヶ谷市内に設置されたDが管理するサーバコンピュータ上に開設されたインターネット画像投稿サイトEに送信して同サーバコンピュータに記憶・蔵置させ,不特定多数のインターネット利用者が同画像データを閲覧できる状態にし,
 もって,第三者が撮影対象者を特定できる方法で,衣類の全部又は一部を着けず,殊更に人の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激する姿態が撮影された画像を記録した私事性的画像記録物を公然と陳列するとともに,公然と事実を摘示して,他人の名誉を毀損した。
(証拠関係)
 省略
(法令の適用)
 省略
(量刑の理由)
 被告人は,十数年前,被害者と交際する中,承諾を得て全裸写真を何度か撮影し,その後円満に別れたが,違法なことをしているという感覚を味わいたいとの思いから,インターネットの掲示板に,約十年前ころから,顔にモザイクをかけた被害者の裸の画像をアップロードし,更には平成26年頃からはモザイクをかけない状態で被害者の全裸画像をアップロードした。被告人が述べる動機に同情の余地はなく,場当たり的な単純な手口であるとはいえ,継続的に反復累行し,次第に行動をエスカレートさせており,無制限に画像を拡散させるおそれを招いたことに加え,信頼していた被告人に裏切られたことにより被害者が被った精神的苦痛の大きさに照らし,結果も重大である。したがって,刑事責任を軽く見ることができないが,両親の援助を受けて被害者に示談金800万円を支払った結果,被害者は被告人の厳罰を望んでいないこと,これまで大学教授として犯罪とは無縁の生活を送ってきたが,本件によって勤務先を解雇されるなど社会的制裁を受けたこと,素直に罪を認めて反省の態度を示し,妻が今後の監督を誓約していること等有利な事情も認められる。そこで,被告人に対しては,主文のとおりの刑を科して刑事責任を明らかにした上,刑の執行を猶予するが,猶予期間については,特に再犯のおそれが高くないことからすると2年と定めるのが相当である。
(求刑 懲役1年6か月)
  平成27年10月27日
    神戸地方裁判所第1刑事部
        裁判長裁判官  平島正道
           裁判官  西野牧子
           裁判官  熊野祐介