児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

インターネット投稿サイトで、家出したいと書き込んだ和歌山市内の少女に「家事を手伝ってくれませんか」などと書き込み、家出を助長したという県青少年健全育成条例違反(非行助長行為の禁止)の逮捕事例

 家出が発覚すると、警察は青少年がアクセスしていたサイトを調べるようです。
 5/22までの助長行為で、5/23に家出して、8/25逮捕。
 遠隔地からそそのかし等したときに和歌山県条例が適用できるかについては、県内で閲読した点を捉えれば、行為の一部が県内にあると言えるだろうが、助長行為が全国一律で処罰されていないことから、違法性の意識の程度にやや疑問がある。

大阪府青少年健全育成条例
(夜間の連れ出し等の禁止)
第三十六条 何人も、保護者の委託を受け、又は承諾を得た場合その他の正当な理由がある場合を除き、第二十五条各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める時間に当該青少年をその住所若しくは居所から連れ出し、又はその住所若しくは居所以外の場所に同伴し、若しくはとどめてはならない。
(平一七条例一一〇・追加、平二〇条例八五・旧第三十条繰下、平二三条例一〇・旧第三十七条繰上)

昭和24年新潟県条例第4号違反被告事件
最高裁判所大法廷判決/昭和29年11月24日
なお地方公共団体の制定する条例は、憲法が特に民主主義政治組織の欠くべからざる構成として保障する地方自治の本旨に基き〔憲法九二条〕、直接憲法九四条により法律の範囲内において制定する権能を認められた自治立法にほかならない。従つて条例を制定する権能もその効力も、法律の認める範囲を越えることを得ないとともに、法律の範囲内に在るかぎり原則としてその効力は当然属地的に生ずるものと解すべきである。それゆえ本件条例は、新潟県の地域内においては、この地域に来れる何人に対してもその効力を及ぼすものといわなければならない。なお条例のこの効力は、法令また条例に別段の定めある場合、若しくは条例の性質上住民のみを対象とすること明らかな場合はこの限りでないと解すべきところ、本件条例についてはかかる趣旨は認められない。従つて本件被告人が長野県の在住者であつたとしても、新潟県の地域内において右条例五条の罰則に当る行為があつた以上その罪責を免れるものではない。されば原判決には法令違反も認められない

和歌山県青少年健全育成条例
(非行助長行為の禁止)
第29条
1何人も、青少年に対し、前条各号に規定する行為若しくは道路交通法(昭和3.5年法律第105号)第68条に規定する行為又は家出を行うように勧誘し、あおり、そそのかし、若しくは強制し、又はこれらの行為を行わせる目的をもって金品その他財産上の利益又は便宜を供与してはならない

和歌山県青少年健全育成条例の解説
3 「家出」とは、保護者の同意、承諾を得ないで、青少年が生活の本拠から帰宅の意思なくして離脱することをいう。
4 「勧誘」とは、他人に対し自己の欲するとおりの或る種の行為を行うように勧めることをいう。
5 「あおり」とは、特定の行為を実行させる目的をもって、文書、図画又は言動によって人に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめ、又は既に生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えることをいう。
6 「そそのかし」とは、他人をして特定の行為を実行させる目的をもって、同人等にその実行決意を新たに生ぜしめるに足りる慫慂(しようよう)行為を行うことをいい、その慫慂行為が客観的に相手方に実行の決意を生ぜしめる、その実行行為にでる危険性がある限り、現に実行の決意を生じたかどうかを問わない。
(注) 本条にいう「そそのかし」は、そそのかす行為をもって足りるもので、その結果、現に結果たる行為が行われたかどうかを問わないとするところが刑法第61条の教唆と異なる。
(注) 慫慂〜傍から誘い勧めることo
7 「強制」とは、物理的、心理的に圧迫を加えることによって実行の意思なきものに対し、その意に反して実行を求め、又は実行せしめようとすることをいう
8 「金銭その他財産上の利益」 とは、金銭、物品などの有形的利益のほか、金銭をもって換算し得る無形的利益としての債券の譲渡、債務の免除などをいう。
9 「便宜を供与」とは、人の社会生活上の地位に基づいて行ういっさいの役務の供与をいい、働き口や住む所などを提供することをいう。

http://www.sankei.com/west/news/150826/wst1508260018-n1.html
女子高生に「家事手伝って」Yahoo!知恵袋に書き込み 34歳男逮捕
 当時高校2年生だった少女(16)の家出を助長したとして、和歌山県警生活環境課と和歌山東署は8月25日、県青少年健全育成条例違反(非行助長行為の禁止)の容疑で、大阪市西成区に住む無職の容疑者(34)を逮捕した。「間違いありません」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は5月18〜22日、インターネット投稿サイトで、家出したいと書き込んだ和歌山市内の少女に「家事を手伝ってくれませんか」などと書き込み、家出を助長したとしている。

 同署によると、5月23日正午ごろ、ボストンバッグを持った少女がJR和歌山駅和歌山市)の改札を通る姿が防犯カメラに映っていた。やりとりのあった投稿サイト「Yahoo!知恵袋」にあったIPアドレスから容疑者の自宅を割り出し、8月25日に少女を発見、保護したという。