児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

1対1のチャットアプリで陰部の無修正写真を送信した場合の罪責

http://www.bengo4.com/internet/1079/1184/b_224322/
http://www.bengo4.com/internet/1075/b_224117/
によれば、公然わいせつ罪が検討されて、無罪というようです。

 しかし、画像が刑法上のわいせつであるとすると、撮影記録してから送信するのは、公然わいせつ罪ではなく、わいせつ電磁的記録記録媒体頒布罪(刑法175条1項)です。アプリで画像を送信するときは、アプリ立ち上げて、カメラで撮影して、それを送信するので、頒布罪です。
 動画を生中継するのであれば、公然わいせつ罪(174条)

第174条(公然わいせつ) 
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
第175条(わいせつ物頒布等)
1わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

 1対1なら「頒布」にならないのかというと、最新版の条解刑法では

条解刑法
電磁的録の頒布とは、電磁的記録その他の記録の頒布とは不特定又は多数の人の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を存在するに至らしめることをいう。・・・・たまたまl名の顧客に交付・譲渡等したに過ぎない場合であっても,それが不特定又は多数の人に対して交付・譲渡等する意思でされたものであれば,頒布に該当する(東京高判昭47・7・14判タ288-381,東京高判昭62・3・16判時1243-141)。

と解説されています。
 わいせつ物の頒布販売にしても、最初はたいてい1人への譲渡(不特定又は多数の者への譲渡の一環)で逮捕されています。

 チャットのアプリということだと、関係希薄な見ず知らずの相手に送るのだと思うので、「不特定又は多数の人」と評価される可能性があり、最初の1回もそのような行為の一環であれば、「頒布」と評価される可能性がある。
 実務では、交際相手に対する1対1のメール送信行為を「頒布」に該当する恐れがあるとして逮捕された事例もある。身柄事件の捜査弁護をしたことも数回あるので、ドットコムの弁護士の
 「処罰規定がなく無罪ですから。」
 「その当時18歳であれば罰せられるということはない」
というのは楽観的だと思いますね。