児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「二度とインターネットにはかかわりません」という弁解

 ネットやメールや携帯電話をやめるというのは、今日的には、無理で不自然なので、奥村はそう言わせません。正直に言えば、せいぜい、
   当分使わない
   注意して使う
でしょう。
 積極的な情状弁護もなくあっさり終わるみたいですが、裁判に使うかは別として、臨床心理の専門家などに受診して、被告人の問題点を分析して対応するくらいの努力は、必要だと思います。それは被告人にも有益だから。
 「性癖を直すため強制的に治療を受けさせ、再び同じ悲劇を繰り返さないようにしてもらいたい」という被害者の意見についてですが、施設内でも施設外でも、著作権法違反の犯人に対する治療的処遇は用意されていませんから、保護観察つけてもあまり期待できません。

元教諭「ネットやめる」 謝罪、遺族からは怒りの声 事故写真HP転載 /東京都
2007.05.24 朝日新聞社
 「二度とインターネットにはかかわりません」。羽村市立小学校に勤務していた教諭が、事故死した子どもの写真を遺族のホームページ(HP)から自身のHPに勝手に転載していた事件で、著作権法違反などの罪に問われた元教諭の被告は、23日の東京地裁の初公判でこう誓った。罪を認め遺族への謝罪も口にしたが、遺族からは「本当に罪と向き合っているのか」との怒りの声が上がった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070524-00000005-maip-soci
被告人質問では「ひどい非人間的な行為で申し訳ない」と述べたが、遺族への直接の謝罪はまだないという。
 検察側は冒頭陳述で「児童の死体写真を見ることで性的興奮を覚える性癖があり、周りに理解されない孤独感から自分と同じ性癖を持つ者を探していた」とHP作成の動機を指摘した。

追記
傍聴記がありました。
被害者には立派な弁護団がついていて、被告人には・・・という感じです。

http://www.nikkansports.com/general/asozan/top-asozan.html
検察官 「被告人から謝罪はありましたか?」
 証人 「謝罪は、今日までなかったというのが残念でなりません。愛知県警に家宅捜索されてから、1年の時間があったはずです。われわれに気持ちが届いてこないんです…」
・・・・
 弁護人 「被害者に対し、どう考えていますか?」
 被告人 「今から考えると、なんてひどい非人道的なことをしてしまったんだろうという思いでして、私の無神経な行動でどれだけ傷つけてしまったんだろうか…。なんとお詫び申し上げればいいのか、申し訳ない気持ちでいっぱいです」
 弁護人 「で、謝罪の行動は?」
 被告人 「いえ、…していません」
 弁護人 「(手紙を)送るつもりは?」
 被告人 「受け取っていただけるなら…。私としましては、手紙の内容によっては、余計被害者を傷つけるんじゃないかと考えていまして、それでまとまらなかったので…」

・・・
 裁判長 「終わり? 今後、彼はどうするんですか?」
 弁護人 「治療に専念するということで」
 裁判長 「どうやって生きていくんですか? 聞かないならいいですけど」