児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

報告書

高木さんのコメントがあります。
http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040815

平成16年5月31日
最高裁判所事務総局
内閣官房情報セキュリティ対策推進室 様
報告書
1ホームページを利用した合格発表の事務過誤の発生
裁判所事務官Ⅰ種採用試験(RA,以下「本件試験」という)等の一次試験合格者一覧表について,合格発表前に裁判所ホームページ上で閲覧可能な状態となってしまうという事務過誤が発生し,その事実が新聞報道等された。その過誤の原因は次のとおりである。
(1)裁判所ホームページのデータベースについては,毎日午前2時,午後0時, 午後6時の3回更新されることから,その編集作業に,数時間,数日間を要したり,また,ホームページへのアップまでに時間的な余裕があるために,途中で更新時間をまたぐこととなる場合には,編集途中の文書がホームページヘアップされたり,アップを予定する時刻以前にホームページへのアップがなされることのないよう,広報課広報係作成の「最高裁判所ホームページ運営上の留意事項等について」に基づき,○○上で,データべース・ローカルを作成し, データべース・ローカル上で編集作業を行い, アップを予定する時刻の直前に,ホームページヘアップする手続を行うこととされている。
(2)今回の合格者一覧表の編集作業は,5月27日及び同月28日に実施したものであり,合格発表(6月8日)までにまだ時間的余裕があったことから,本来は,上記データべース・ローカル上で編集作業を行い,合格発表予定時刻の直前に,ホームページヘアップする手続を行うべきであった。
しかしながら,この編集作業の担当者においては,この点を誤信し,直接, ホームページのデータベースで編集作業を行ったことから,5月27日の作業により作成作業中の合格者一覧表の一部が同日午後6時に,また、5月28日に行った作業により作成した最終的な合格者一覧表の全部が作業直後の裁判所ホームページの更新時刻である5月28日午後6時に,それぞれホームページヘアップされるところとなり,外部から閲覧できる状態になった。
2 ホームページへのアクセス状況
(1)5月29日午後0時ころ,職員から「『最高裁ホームページで1次試験の合格発表を見ることができる。』旨の情報が出回っており,実際に見ることができた。」との連絡があったことから,前記担当者において「2チャンネル」というインターネット掲示板の裁判所事務官試験受験者等が書込みをしているホームページを閲覧したところ,実際に,そのような書込みのなされていたことが確認された。また,同担当者が「2チャンネル」で記載されている方法で検索したところ,実際に,合格者一覧表を閲覧できることを確認できた。
(2)(1)の時点で見た「2チャンネル」によれば,5月29日午前2時26分の時点の書込みが掲載されており,遅くともこの時点までには合格者一覧表を閲覧した者がいたことになる。また,各種試験地の合格者名簿をそのまま「2チャンネル」のホームページにコピーして表示した者もいたことから,これによって,裁判所ホームページを閲覧しなくても,合格者一覧表と同様のものを見られる状態になっている。
なお,合格者一覧表を実際に閲覧した人数については把握しきれていない。
3.暫定的な措置の実施
前記担当者は,5月29日午後3時ころ,ホームページのデータベースから合格者一覧表の削除作業を行ったところ,同日午後6時の更新により,裁判所ホームページにおいて2(1)記載の検索を実施しても,合格者一覧表を閲覧できない状態になった。
4 今後の抜本的な措置の実施につぃて
今回の事務過誤は,前記のとおり,最高裁判所ホームページの編集作業についての単純な誤解に基づくものであって,ハッキングによるものや,システムの脆弱性によるものではありません。また,本来公開されるべきでないプライバシー情報が流出したものでもありません。しかし,担当者の勘違いにより上記のような事態を招いたことは,大変遺憾に感じているところであり,今後このようなことがないよう,ホームページ作成に際しての取扱いを全職員に周知徹底してまいりたいと考えている。