こういう経緯があって
「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の解釈及び運用について」の全部改正についてh29版 - 児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)
大阪府迷惑条例は対応していないようですね。
警察によりますと、20日夕方、大阪・中央区のホテルの部屋で、性的サービスを受けていた際、女性の姿をかばんに隠したスマートフォンで撮影したとして軽犯罪法違反の疑いがもたれています。女性が被害に気づき、スマートフォンの中からは撮影された動画が見つかったということです。警察の調べに対し容疑を認め、「あとで見ようと思った」と話しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210321/2000042764.html
軽犯罪法1条[軽犯罪]
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
場所」をのぞいたのではなし、から本号に該当しない。
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実務のための軽犯罪法解説
「ひそかに」とは,見られないことについて利益を有する者の承諾ないし推定的承諾なしにという意味である。現に見られないことの利益を有する者又はそれ以外の第三者に知られているかどうかを問わない。例えば,公衆便所の壁の隙間などからのぞき見すれば,その直前,用便中の者に対して,のぞき見ることを予告したとしても,その承諾を得ていない限り本号に該当する。また,不特定多数人の面前で行っても,見られる者の承諾なしに行えば,本号に該当する。例えば,公衆浴場内に入浴客として入り,カメラをタオルで隠、して他の入浴客の裸体を撮影すれば,本号に当たると解する。
(6) 「のぞき見る」とは,物かげや隙間などから見ることをいう。何の作為もしないのに,自然に見えてしまった場合は,「のぞき見る」には当たらない。望遠鏡で見たり,カメラを用いてひそかに写真撮影する場合も,「のぞき見る」に当たる。なお,カメラを用いる場合には,カメラのシャッターを押してフィルムに露光させた時点で既遂になるものと解する(判例①)。また,ビデオカメラを用いて便所内の女性の姿態等を「盗み撮り」する行為も「のぞき見る」に当たり,その撮影内容を見ていなくても録画した時点で既遂に達する(判例②)。しかし,夫婦生活の状況を盗聴し,あるいは録音しでも,「見る」ことにならないから本号には該当しない
大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
昭和37年12月24日 条例第44号
(平成29年6月30日施行)
http://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/reiki/reiki_honbun/k201RG00001067.html
(卑わいな行為の禁止)
第六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
二 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
三 みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
四 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。
2 何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。
3 何人も、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、教室、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影してはならない。
4 何人も、第一項第二号若しくは第三号又は前二項の規定による撮影の目的で、人に写真機等を向け、又は設置してはならない。
(平一四条例一〇六・追加、平二九条例五八・一部改正)
大阪府警の解説
第2項関係
(1) 軽犯罪法(昭和23年法律第39号)第1条第23号において、人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服を着けないでいるような場所をひそかにのぞき見る行為を禁止しているの
に対し、この項は、公衆が利用することができる公衆浴場等における衣服の全部又は一部を着けない状態にある人を撮影する行為を対象として禁止している。
(2) 「公衆浴場」とは、公衆浴場法(昭和28年法律第139号)第1条に規定する公衆浴場をいう。
(3) 「公衆便所」とは、公園内、道路端等に設四されている公衆の用に供する便所をいう。
(4) 「公衆が利用することができる更衣室」とは、悔水浴場、公衆の遊泳に供するプール等に設置された更衣室をいう。
(5) 「その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所」とは、旅館、ホテル等に設置された宿泊客用の大浴場、百貨店、スーパーマーケット等に設附された来客用の便所等をいう。
(6) 「当該状態にある人の姿態」とは、公衆浴場等で衣服を脱ぎつつある人若しくは着装しつつある人又は裸体でいる人の姿態をいう。
8 第3項関係
(1) この項は、公共の場所又は公共の乗物以外の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物におけるのぞき見行為及び盗撮行為を規制するものである。
(2) 「不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)」とは、不特定又は多数の者が、出入りし、又は利用しようとする場所等の所有者、管理者等の承認(黙示のものを含む。)の下に、当該場所等の本来の用途に従って出入りし、又は利用するような場所等をいう。したがって、例示されたもののほか、例えば、ネットカフェ(インターターネットを利用することができる端末装附を設附して客の利用に供する施設をいう。)の個室、病院の診察室、貸切バス等がこれに当たる。
なお、■■■■■■■■■■■■■■■■は、「不特定又は多又は利用するような場所」に含まれない。
9 第4項関係
(1) この項は、第1項第2号及び第3号、第2項並びに第3項の規定により規制している撮影行為の目的で、人に写真機等を向け、又は設四する行為を規制するものである。
(2) 「撮影の目的」とは、下着等又は衣服の全部若しくは一部を着けない状態にある人の姿態を盗撮する目的のことをいい、その有無は、行為者の供述又は向けられ、若しくは設四された写真機等による撮影状況等を総合的に勘案して判断する。
(3) 「人に写真機等を向け」とは、下着等又は衣服の全部若しくは一部を珀けない状態でいる人の姿態が撮影できる状態に写真機等のレンズを向ける行為をいう。
(4) 「設置し」とは、下着等又は衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる人の姿態が撮影できる状態に写真機等を設置することをいう。