児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童買春行為について青少年条例が適用されるという弁護士

あまり知られていないようですが児童買春行為に適用される青少年条例は失効しています。

制定時の附則
(条例との関係)
第二条  
地方公共団体の条例の規定で、この法律で規制する行為を処罰する旨を定めているものの当該行為に係る部分については、この法律の施行と同時に、その効力を失うものとする。
2  前項の規定により条例の規定がその効力を失う場合において、当該地方公共団体が条例で別段の定めをしないときは、その失効前にした違反行為の処罰については、その失効後も、なお従前の例による。

http://www.excite.co.jp/News/column_g/20161006/Sirabee_172608.html
自らの活動を隠れ蓑にするような容疑者の行動は、決して許されるべきではない。そこで、法律的な観点について、レイ法律事務所に所属する舟橋和宏弁護士に話を聞いた。
■懲役刑の可能性も舟橋弁護士:被疑者が認めていることを前提にすれば、本件は、いわゆる児童ポルノ禁止法で禁止されている児童買春にあたるだけでなく、東京都青少年健全育成条例にも違反する可能性があります。
法定刑は、児童ポルノ禁止法違反の場合は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金、条例違反の場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金とされています。
実際に被疑者に科される量刑としては、初犯の場合は懲役刑ではなく、罰金30万円〜50万円くらいになる可能性があります。…
もっとも、本件の具体的な事情等によっては、懲役刑となる可能性も否定できません。懲役刑となった場合には、執行猶予が付く可能性も十分にあります。

また、被害者と示談がなされた場合には、裁判とならず不起訴処分となる場合も想定されます。 法的な処罰としては、以上のような結果が予想されるところですが、性被害根絶のため活動していた被疑者の社会的地位からしても、本件があってはならないことであることは間違いありません。

根絶活動を行なっていた男までが陥る、児童ポルノ・児童買春の深い闇。絶対に解決されなければならないこの問題には、どのような対策が有効なのか。

AV女優など、出演者の人権を守る一般社団法人AVAN(表現者ネットワーク)代表の川奈まり子氏に聞いた。

■国際的には「児童虐待製造物」川奈:児童ポルノに限らず、すべてのポルノについて日本は周回遅れの感があります。

児童を被写体にしたポルノ映像については、2011年に国際刑事警察機構ICPO)が「CAM(Child abuse material=児童虐待製造物)」と呼ぶべきだとして社会に容認されているポルノとは一線を引いたうえ、「虐待の被害者なき漫画はそれには当たらない」と明言して以来、児童ポルノという呼び方はグローバルスタンダードではなくなってきているのです。

しかし日本では、国連NGOであるヒューマンライツ・ナウ(HRN)でさえ、ポルノと児童虐待製造物を混同しています
HRNが9月に公開した報告書のタイトルは、「日本・児童ポルノの実情と課題 子どもたちを守るために何が求められているのか〜疑わしさの壁を越えて」。

さらに、タイトルだけでなく、報告書の中身を見ると、成人女性が出演するAVをメーカーへの問い合わせを怠って「児童ポルノと強く疑われるDVD」と見なすなど、児童虐待製造物と社会に容認されているポルノムービーを混同してしまっています。

そのうえ、この報告書では、「児童ポルノか疑わしいとの壁を前に、介入がなかなか進まない現状の打開」を求めるための各関係機関に向けた「提言」が記載されているのですが、そこでは、メーカーと制作会社に対して「18歳未満でないこと、意に反する出演でないことを照合・確認した出演者の氏名・年齢・住所がわかるIDを保管し、流通・販売・配信業者等に交付し、警察等の照会にいつでも対応できる体制を確立すること」と述べられているのです。

■実効性が疑問な日本の対策川奈:要するに、HRNは、児童虐待製造物とは無関係で何ら犯罪性もないAVに出ているAV女優の個人情報を住所に至るまで事実上一般公開して警察に監視させることで、児童虐待製造物が作られることを阻止できると考えているということになります。