児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ排除へ前進 愛知県警要請、アマゾンも対策 【名古屋】2015.04.02 名古屋朝刊 朝日新聞

 規制一辺倒の記事ですが、
 実在児童の写真集の媒介責任にかこつけて、単純所持罪の次は児童ポルノの定義を拡大しろというんですね。媒介者の責任なんて昔から問題なのに、改正の度にスルーされています。

児童ポルノ排除へ前進 愛知県警要請、アマゾンも対策 【名古屋】2015.04.02 名古屋朝刊 朝日新聞
 アマゾンに対し、「児童ポルノの疑いがある商品が出品されている」と指摘した団体がある。NPO法人「人身取引被害者サポートセンター ライトハウス」(東京)は2009年、アマゾンの通販サイトで18歳未満の児童の裸や水着姿を収録した写真集やDVDなど商品136点が出品されているとして、販売中止を要請した。

 アマゾンは「対応方針を決めます」と回答し、その後は連絡がなかったが、指摘から約1カ月後、6割が削除されたという。藤原志帆子代表は「他の先進国では、これほど公に流通することはありえない。日本の児童ポルノの定義は狭く、規制も緩い」と話す。
 ■削除の商品増加、アマゾンに変化
 東京都千代田区の神田古書店街のある古書店主(39)によると、アマゾンに出品する際、すでに出品されている商品ならば、審査がないため、価格を設定するだけで簡単に販売できたという。
 「事件後は問題がありそうな商品は次々に削除されている」と話し、アマゾンが対策に乗り出している変化を感じている。
 ■<考論>規制遅れている
 児童ポルノ問題に詳しい徳島大・中里見博准教授(憲法)の話 児童買春・児童ポルノ禁止法の規制が強化されたが、実写だけでなくアニメやゲームも対象としている国もある。日本製の児童ポルノのゲームソフトが2009年、イギリスで問題視され、販売中止となったが、日本では今も売られている。国際社会では表現の自由より児童の人権が優先すると認識されているのに、日本は許容度が高く、規制が遅れている。ポルノの流通は、女性の権利の不当な侵害だと考える。
 ■<考論>運営側は自浄を
 ネットビジネスに詳しい富士通総研経済研究所・田中秀樹担当部長の話 インターネットビジネスの発達のためには規制は少ない方がよいが、薬物や児童ポルノのような明らかに違法な商品は論外。ネット上のショッピングモールという形態は、運営する企業に利用者が安心して使える環境を作る責任がある。企業がモール内を監視し、通報窓口を設けるなど、違法・有害な商品が流通しないよう今以上に力を入れるべきだ。数が多く、事後対応にならざるを得ないが、自浄作用を働かせる必要がある。
 ■児童買春・児童ポルノ禁止法の変遷
 1999年 欧米やアジアで法整備が進み、東南アジア買春ツアーや援助交際の社会問題化を受け同法成立
 2004年 規制強化の法改正。児童ポルノの製造、頒布、公然陳列、輸出入に加え、販売や譲渡を禁止
 2014年 インターネットの普及や国際社会からの要請で、法改正で単純所持を禁止。15年7月施行
 【図】
 児童ポルノ事件の摘発件数