費用・賠償の話が多いようですね
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00067.html
犯罪被害者団体からのヒアリング(第3回)の開催について
平成24年7月6日
本日,法務省は,犯罪被害者団体からのヒアリング(第3回)を開催し,被害者支援都民センター,地下鉄サリン事件被害者の会,犯罪被害者きょうだいの会,NPO法人KENTO,性暴力禁止法をつくろうネットワーク,全国犯罪被害者の会(あすの会),NPO法人交通事故後遺障害者家族の会,宙の会の8団体から,被害者参加制度,損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度等についてヒアリングを行いました。
http://www.moj.go.jp/content/000102433.pdf
<性暴力禁止法をつくろうネットワーク>
周藤 性暴力禁止法をつくろうネットワークの周藤と申します。よろしくお願いします。まず,性暴力禁止法をつくろうネットワークにつきましては,,2008年に結成しまして,性暴力に関する包括的な法整備を目指して,全国の被害当事者,支援者,(本日参加しています鈴木さんも弁護士さんですし,私はカウンセラーをしております),法律の研究者・学者など,様々な立場の方が参加する500名以上のネットワークですけれども,性暴力に関して,性暴力被害者にとって被害者参加制度が現実にどういう運用になっているか,被害者の立場からどう見直し等が必要かということで,周囲に意見を求めまして,簡単にまとめたものが,今,資料でお手元にお渡ししているものです。
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あとは,被害者による公判記録の閲覧及び謄写の要件の緩和及び対象者の拡充についてですけれども,実際,利用された方からすると,「ちょっと裁判官が使っているので。」ということで,非常に待たされたり,時間が掛かったりですとか,謄写費用が1枚50円などでしたら,やはり何枚もコピーをすると非常に負担が掛かるというようなことがあります。また,先ほど強調させていただいた,被害者参加制度を利用するかどうか躊躇されたり,迷っている方にとって,どういう書類,証拠が出されて,どういう公判になるのかというようなところ,相手はこういうことを言っているのかということが分かった段階で,「それだったらやはり自分はこういうことが言いたい。」というようなことで,被害者参加を選ばれることもあると思います。被害者参加制度を利用された方はコピーして閲覧できるんだけれども,参加をしていない方は全然駄目ということでしたら,そういう判断ができなくなってしまう。ですから,被害者参加制度を利用されない方も判断できるように,閲覧,コピーができるようにお願いしたいということがあります。
・・・・・損害賠償請求に関しての刑事手続の成果を利用する制度については,これはちょっと評価が分かれていまして,印紙代が安いということで,被害者に負担がなく請求できるというところでのメリットがあります。一方,有罪になって刑務所に入ってしまう,元々あまり資産もないような加害者に対して,何百万円という支払命令が出たとしても,結局は回収する見込みがないというところがあって,気持ちの面ではちょっとすっきりするかもしれないけれども,現実的には,お金をもらえなくて,後でも書いていますけれども,被害によって仕事もできなくなったり,経済面でも負担が掛かっている被害者にとって,この制度がどうなのかなというような疑問を持たれている意見もありました。
そういう意味で,被害者参加人への旅費等の支給というのは,本当に当たり前なのではないかということで,是非お願いしたいと思います。
次の資力要件とも関係しますけれども,よくあるのが,学生さんが被害に遭って,でも,家族には知られたくないと。自分だけで裁判を頑張ろうと思うというところで,では,学生さんが,例えば留学費用とか進学費用などを,アルバイトで一生懸命貯めていて,20
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それから,被害者参加制度の中でも,先ほど周藤さんのほうからも紹介いたしましたけれども,やはり自分の意見がなかなか反映されない現実がございます。検察官とは接触はしているんだけれども,聞き入れられなかった,そういう例もございます。やはり被害者
の主体性,自分についてのことをコントロールできるということを,できれば検察なりの中でルール化していただく指針などを出していただいて,いかに被害者の主体性を支援するサポートができるかに関して,被害者を早期からかつ全面的に支援する代理人も含めて制度を設けていただければと思っています。
それから,損害賠償制度につきましても公的な関与での補償・賠償が必要だということで,例えばこれは基金を作るなり,諸外国の制度などを参考にしていただきまして,加害者に賠償能力がないような場合につきまして,実際に例えば基金からお金が支払われるとか,そのようなことについても御検討いただければと思っています。
あとは被害者に掛かる費用につきましても,これは共同代表の周藤さんが言ったとおりでございますけれども,被害者自身が日常の生活がかなり難しいような状況がありまして,従前,資産がある程度あった方であっても,それを切り崩しながら生活せざるを得ないという方がいるのが実態でございます。また,特に性暴力自体に伴うスティグマの問題がございまして,なかなか周囲の者にこれを打ち明けられないということがあります。資力の認定に当たって,御本人以外の家族の資産を被害者に不利益に考慮しない等,やはりほかの事案とは異なるような配慮をしていただきたいということがあります。その辺りでできるだけ緩和をしていただきたいと思っております。そもそも論から申しますと,法的手続に関与することはもちろんそれは回復のプロセスだということは確かにあるにしても,犯罪被害にあったということで,更に生活面で,また法的手続に関連してお金が掛かる,自己負担しなければならないということ自体が,つまり元々その被害があったということ自体の回復をするために更にお金が掛かることでは,被害者としては非常に痛いところでございます。
法的・財政的な被害者支援として性犯罪被害者の実態に即して今後の計画の履行であるとか次の計画の中で,フォローしていただけると有り難いと思っています。以上でございます。
http://www.moj.go.jp/content/000102440.pdf
?被害者等による公判記録の閲覧及び謄写の要件の緩和及び対象者の拡充について
・被告人や被告人側の証人がどのようなことを発言しているのかとても気にしていた被害者が記録のコピーを要求していましたが、裁判官が使っている等の理由で非常に時間がかかるので、工夫がほしいところです。
・謄写費用が1枚4−50円と高すぎる。
・現在、被害者参加する場合には、公判前に公判提出予定証拠が開示され謄写可能なようであるが、参加を迷っている場合や参加を予定していない被害者についても希望すれば開示・謄写できるよう制度化してほしいです。参加するかしないかで被害者が受ける利益(第1回期日前に予定証拠を閲覧できるか否か)が異なるのはおかしいですし、記録を見て初めて参加するか否かを決定することができる場合もあるからです。
?損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度について
・資力がなく取り立てが困難な加害者に対する債務名義をとりあえず取得する方法として、印紙代の安価な損害賠償命令の制度は評価できるのではないかと思います。
・ただ、被告人が懲役刑になって収入もなくなったり、そもそも資力がない事件では、損害賠償を命じられても支払い能力がないということで、実際には被害者が支払いを受けられない場合も多いと思われます。被害者に対する公的補償を充実すべきではないでしょうか。