児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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s44における少年法37条改廃論

昭和44年3月開催少年係裁判官会同概要 家庭裁判月報 第21巻11号
現在、家庭裁判所の管轄下にある成人の刑事事件の管轄を、地方裁判所ないし簡易裁判所へ移すことの可否
(名古屋)
名古屋 (66)については少年の刑事事件の管轄を家庭裁判所に移してはどうかという問題とパラレルに考えて、取り上げてみた次第です。現行法の趣旨は大体アメリカの原因供与罪というようなものにならったものと言われていますが、わが国においては、その福祉を害された少年のほうにも非行があったということを必要としてはおりません。したがって、別段その裁判において、少年の要保護状態などの解明を要求されていないわけです。そこで、少年の一般の福祉を守るという理念においては共通寸るわけですが、それのみであって、なにもその成人の事件を家庭裁判所でやったほうがよいという特段の積極的理由はないものと思われます。また、20年の実績を鑑みても、当初の理想とはあまりにも縁遠いものになってしまっているようであり、まさにまま子扱いされてきたかのような感があります。
このように、少年保護事件の処理と内面的な関連を有していない異質的な成人事件はとの際家庭裁判所の管轄から外したほうがいっそうすっきりするのではないかという考えから出題しました。
富山 当庁も名古屋の説明と同じような意見であり、地方裁判所ないしは簡易裁判所へ移すという方向で検討してはいかがと考えています。
京都 当庁で協議した結果、管轄はやはり家庭裁判所にとどめておくべきだという結論でした。その理由としては、この種の事件は少年問題に理解のある家庭裁判所が処理するのが最もふさわしいと考えられることと、一般的に少年の福祉を害する成人を家庭裁判所で処罰するということは、少年保護の殿堂たる家庭裁判所の性質をきわ立たせることになり、国民の信頼を得るものであると考えられるからです。刑事手続を行なうことによって、家庭裁判所の雰囲気が壊されるという心配は、いま申したプラスの面を考えればほとんど考慮に値しないということです。とくに、刑事手続に家裁の職員が習熟していな、いという点とか、成人事件の証拠に出ていない事実で少年保護事件で知り得た事実を前提として裁判をするというおそれのあること、少なくともその危慎を被告人や一般人に与えるということも、多分にありますが、とういう点はこれからの修練や、職務分担その他の制度を考えることによって適切な措置はとりうるものであると考えます。なお、将来は原因供与罪といった少年保護事件それ自体と内面的に結合する成人事件についての立法化を前向きに検討していただきたいという意見です