釈放容疑者の罪名公表 江田法相「非公表は不適切」
2011.03.30 読売新聞
東日本巨大地震後、福島、仙台両地検が勾留中の容疑者らを釈放した問題を巡り、両地検が釈放した容疑者らの罪名を公表しなかったことについて、江田法相は30日の衆院法務委員会で、「不安を与えたくないといって、罪名を述べないのは適切ではない」と述べ、罪名の内訳を明らかにした。両地検は29日、容疑者の安全確保などを理由に、それぞれ31人と27人の容疑者らを釈放していたと発表し、仙台地検はほかに3人の被告の勾留を取り消したことも公表している。しかし、容疑や罪名の内訳については、「起訴前の容疑者なので罪名の列挙はご容赦ください」(小池隆・福島地検次席検事)などとして、明らかにしなかった。
法相の30日の答弁によると、釈放された容疑者らの罪名は、両地検管内で窃盗が計24人、詐欺・業務上横領と傷害がそれぞれ計9人、覚醒剤取締法違反が計6人、強制わいせつは福島地検管内の1人だという。
釈放したことについて、江田法相は「別の刑事施設に移送する余裕はなく、釈放の理由は十分にあったと思っている」とした。
福島、仙台両地検が釈放した容疑者、被告の罪名などの内訳 | 読売新聞 | |
福島地検 | 仙台地検 | |
窃盗 | 13 | 11 |
傷害 | 5 | 4 |
覚醒剤取締法違反 | 4 | 2 |
詐欺・業務上横領 | 2 | 7 |
児童買春・児童ポルノ | 2 | 2 |
強制わいせつ | 1 | |
建造物侵入 | 1 | 3 |
道交法違反 | 3 | 1 |
合計 | 31 | 30 |