児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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コンドームの販売規制撤廃へ=長崎県

 避妊用具と有害図書がほぼ同列に規制されています。
「青少年に有害」という決めつけもはかないものだと思います。

長崎県少年保護育成条例解説書h21
(自動販売機等の届出等)
第8条自動販売機又は自動貸出機(以下「自動販売機等」という。)により図書類又はがん具類を販売し、又は貸し付けることを業とする者(以下「自動販売機等業者」という。)及び自動販売機により避妊用品を販売することを業とする者(以下「避妊用品自動販売機業者」という。)は、自動販売機等を設置しようとする日の15日前までに、当該自動販売機等ごとに、次の各号に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
(1) 住所、氏名及び電話番号(法人にあっては主たる事務所所在地、名称、代表者氏名及び電話番号)
(2) 自動販売機等を適正に管理する責任のある者(以下「自動販売機等管理責任者」という。)の住所、氏名及び電話番号
(3) 自動販売機等の設置場所
(4) 前3号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項第2号の自動販売機等管理責任者は、自動販売機等を設置する市町村ごとに置くものとし、その市町村内に住所を有する者でなければならない。
3 自動販売機等業者又は避妊用品自動販売機業者(法人にあってはその代表者とする。)は、当該自動販売機等の設置場所と同一の市町村に住所を有し、当該自動販売機等を適正に管理することができる場合には、自ら自動販売機等管理責任者となることができる。
4 第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る自動販売機等の見やすい箇所に、知事が交付する届出済証及び表示票をちょう付しなければならない。
5 第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項に変更があったとき、又はその届出に係る自動販売機等の使用を廃止したときは、速やかに、その旨を知事に届け出なければならない。
[ 要旨]
本条は、自動販売機又は自動貸出機を使用して図書類やがん具類を販売又は貸付けをする自動販売機等業者に対して、自動販売機等の設置(既設置を含む。)、変更、廃止について届出制にすること及び自動販売機等ごとに当該自動販売機等設置市町と同ーの市町に居住する管理責任者を置き、当該自動販売機等を適正に管理するよう義務づけたものである。
[ 解説]
1 「設置しようとする日の15日前」とは、設置日を含まない。
2 「当該自動販売機等ごとに」とは、自動販売機又は自動貸出機1台ごとに届出をしなければ
ならないということである。
3 「適性に管理する責任のある者」とは、有害なものとして指定がなされたときは、直ちに自動販売機等から除去の措置がとれる者という意味であり、管理台数については制限はないが、適正管理が可能な範囲に限られる。
4 「住所」とは生活の本拠であり、現に居住し、その生活を営む実態がなければ住所とはいえない。
5 第2項及び第3項は、自動販売機等管理責任者となることができる者の資格について規定している。なお、少年が自動販売機等管理責任者となることは、条例の目的から考えて認められない。
[ 罰則]
第1項・第5項違反:30万円以下の罰金

(自動販売機等による販売等の自主規制)
第9条自動販売機等業者及び図書類又はがん具類に係る自動販売機等管理責任者(以下「自販売機等業者等」という。)は、当該図書類の内容又は当該がん具類の形態、構造若しくは機能が著しく少年の性的感情を刺激し、粗暴性若しくは残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、その健全な育成を阻害するおそれがあると認めるときは、当該図書類又は当該がん具類を自動販売機等に収納しないように努めるものとする。
2 避妊用品自動販売機業者及び避妊用品に係る自動販売機管理責任者(以下「避妊用品自動販売機業者等」という。)並びに自動販売機によらず避妊用品を販売することを業とする者は、避妊用品を少年に販売し、又は贈与しないように努めるものとする。
[ 要旨]
本条は、図書類やがん具類を販売文は貸付けをする自動販売機等業者等並びに避妊用品の自動販売機業者等及び避妊用品の販売業者に対して、少年の健全な育成を阻害しないように販売の自主規制を求めたものである。
[ 解説]
1 図書類、がん具類のうち少年の健全な育成を阻害すると知事が認めるものは有害指定をされることになっているが、自動販売機等による販売文は貸付けは対面販売に比べ少年が購入し、又は借りやすい面があるため、特に、本条において、少年の健全な育成を阻害すると思われるものについては、業者自らの判断により、自動販売機等に収納しないように自主規制を求めたものである。
2 「避妊用品」とは、避妊を目的とした医療用具をいう。


(自動販売機等による販売等の制限)
第10条自動販売機等業者等は、有害図書類又は有害がん具類を自動販売機等に収納してはならない。
2 自動販売機等業者等は、自動販売機等に収納されている図書類又はがん具類について第4条第2項の規定による公示若しくは通知文は第6条第2項の規定による公示があったときは、直ちに当該図書類又は当該がん具類を除去しなければならない。
3 避妊用品自動販売機業者等は、当該自動販売機を常時監視できる屋内に設置し、かつ、屋外から購入できないような措置をとらなければならない。ただし、自動販売機が法令により少年の立入りが禁止されている場所に設置されている場合又は少年が自動販売機から購入することができない措置が講じられている場合は、この限りでない。
4 第1項及び第2項の規定は、自動販売機等が法令により少年の立入りが禁止されている場所に設置されている場合は、これを適用しない。
5 知事は、自動販売機等業者若しくは避妊用品自動販売機業者又は自動販売機等管理責任者が第1項、第2項又は第3項の規定に違反していると認めるときは、当該自動販売機等業者又は避妊用品自動販売機業者に対し、自動販売機等の撤去その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
[ 要旨]
本条は、図書類やがん具類の自動販売機等による販売又は貸付け及び避妊用品の自動販売機による販売の制限について定めたものである。
[ 解説]
1 「常時監視できる屋内」とは、土地に定着する壁、シャッタ一等の工作物により明らかに外部としゃ断できる部分の内部で庖主又は従業員により少年が購入しないように常時監視できる状態をいう。壁、ドア等を隔てて監視する場合、スーパーマーケットやデパート等の階段のおどり場、道路で常時監視できない場合はこれに当たらない。
2 「屋外から購入できないような措置」とは、自動販売機を屋外から購入できない場所に設置することをいう。
3 「法令により少年の立入りが禁止されている場所」については、成人に対する販売を規制したものではないので適用を除外した。
4 「法令」には、条例も含まれる。
5 「少年の立入りが禁止されている場所」とは
? 風営適正化法第2条第1項に規定する風俗営業に係る営業所(同項8号に規定する営業に係る営業所を除く。)
? 風営適正化法第2条第6項に規定する庖舗型性風俗特殊営業に係る営業所
? テレホンクラブ等営業に係る営業所
?長崎県少年保護育成条例(昭和53年長崎県条例第17号)第3条の規定により指定された有害興行を行う場所などである。
6 「その他必要な措置」とは、有害図書類や有害がん具類の自動販売機等からの除去、避妊用品自動販売機の設置場所の変更等のことをいう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110122-00000040-jij-pol
コンドームの販売規制撤廃へ=長崎県
時事通信 1月22日(土)10時2分配信
 長崎県は、18歳未満の子どもへのコンドーム販売規制を撤廃した県少年保護育成条例改正案を2月定例県議会に提出する。未成年の間で、望まない妊娠や性感染症が増えているほか、条例の形骸化を指摘する声が高まっていたことを受けた措置。
 条例で販売規制を明記しているのは全国でも長崎県だけ。1978年に施行された同条例では、第9条第2項で、罰則を伴わない努力義務規定として、避妊用品の販売を業者に自主規制するよう求めている。
 改正案では同項を削除。新たに、保護者らが性教育の責任を負うと強調する「責務」を第1条に追加する。
 規制撤廃をめぐっては、県が1月の県少年保護育成審議会で、賛成・反対双方の主張を勘案した今回の改正案を提示。撤廃に慎重な声も一部で上がったが、賛成多数で承認された。