児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

市民病院副部長を再逮捕=女児診察中、裸撮影の疑い―広島県警



 罰条としては、準強制わいせつ罪と176条後段の合わせ技で、13歳未満の特別規定ということで結局176後段なんでしょうね。
 3項製造罪は適用されるのか?
 弁解としては、性的意図はないとか正当行為というのが定番。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100615-00000207-jij-soci
同署によると、容疑者は「正当な診療行為で、わいせつな行為ではない」などと容疑を否認しているという。
 逮捕容疑は昨年7月、別の病院で12歳の小学生女児を診療した際、裸の上半身をカメラで撮影した疑い。同署は13歳未満の裸を撮影する行為は、暴行や脅迫がなくても同容疑が成立するとしている。
 同署によると、容疑者は先月23日、広島市中区の有料駐車場で、専門学校に通う19歳の女性のスカート内をカメラで撮影したとして現行犯逮捕された。関係先から押収したパソコンを分析したところ、上半身裸の女児の画像が出てきたという。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100616-00000523-san-soci
 同署によると、事件後、医師の自宅から押収したパソコンのハードディスクの中から、盗撮とみられるデータが100件以上見つかっており、その中に女児の動画があった。診療室の机の上にカメラを固定して撮影したとみられ、当時診療室には看護師もいたという

http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010061501000774.html
逮捕容疑は昨年7月、広島県外の病院で診察中、当時小学6年生で12歳だった女児の上半身をデジタルカメラで撮影した疑い。
 広島中央署によると、女児に気付かれないよう診察室の机にカメラを置き、聴診器を当てている様子を動画で隠し撮りした。「正当な診療行為で、わいせつな行為ではない」と否認している。
 同署は、医師の立場で診療行為と偽って13歳未満の裸を撮影した行為は、暴行や脅迫がなくても強制わいせつ容疑が成立する、としている。
 容疑者は5月下旬に別の盗撮事件で逮捕され、県迷惑防止条例違反の罪で起訴された。同署によると、自宅で押収したハードディスクに女児を含む100件以上の盗撮動画が残っていた。
 広島市民病院は「当病院内での盗撮はなかったと聞いている。市民の信頼を失墜させ申し訳ない」とコメントしている。

 こういう法文の構成なので、わいせつ行為に気づいていないときは、まず、178条1項の準強制わいせつ罪でしょ。
 13未満の特別類型である176条後段にも該当するような気がしますが、これはわいせつ行為に気づいていた場合の条文とする裁判例があった。
 176条後段と178条1項の合わせ技ということになる。

第176条(強制わいせつ)
十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
第178条(準強制わいせつ及び準強姦)
1人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。