伝統的な論点ですね。
阿南土地代金流用 背任の元理事長に実刑 地裁、横領認めず=徳島
阿南市の阿南東部土地改良区で土地代金を流用したなどとして業務上横領、背任両罪に問われた元理事長(73)に対する判決が28日、地裁であった。畑山靖裁判長は「着服の意図は認められないが、理事長の権限を乱用して改良区に損害を与えた」などと指摘、背任罪のみ成立するとして懲役2年(求刑・懲役7年)の実刑判決を言い渡した。被告側は同日、控訴した。
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今回の公判では、業務上横領罪での公判が結審後の今年2月、地裁が、検察側に予備的訴因として背任罪を追加するよう異例の勧告を行った。
被告の代理人の中田祐児弁護士は、背任罪のみが有罪となったことについて「公判前整理手続きを9回もやって争点を整理したのに、直前になって追加してきた罪を有罪にしたのは、裁判所のやりたい放題だ」と苦言を呈した。
傍聴に来た改良区の組合員(73)は「懲役2年は軽い。裁判では被告が個人的な利益を得ていないと言っていたが、彼が実質的な支配者だった」と話していた。
[読売新聞社 2008年10月29日(水)]
第253条(業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。第247条(背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。