児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

江口和伸「就寝中の被害者にわいせつな行為をした者が、覚せいした被害者から着衣をつかまれるなどしてわいせつな行為を行う意思を喪失した後に、逃走するため被害者に加えた暴行によって生じた傷害について、強制わいせつ致傷罪が成立するとされた事例」研修 第721号

 
 奥村は、強制わいせつの際に行われた撮影行為はどう評価すべきかを考えています。

以上のように,本決定は,準強制わいせつ罪を構成する行為が終了した後に、逃走するため被害者に暴行を加えて傷害の結果が生じた場合について!強制わいせつ致傷罪が成立するとの判断を,最高裁として初めて示したものであり、実務において同様の事案は少なくないと思われることからすると、実務上重要な意義を有すると思われる。
本稿は,本決定についての解説であることからその属する前記分類に関する部分を中心として論じたが、実務上適用されることも少なくない強制わいせつ等致死傷罪につきその原因行為の範囲としてどこまでの行為をとらえるのかという問題を含め, どのような場合に生じた死傷の結果が同罪の成立の範ちゅうに含まれるのかという問題について,今後も判例・裁判例や学説の動向に注目していく必要があると思われる。