児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「学校裏サイト」管理人不起訴=書き込み、名誉棄損ならず−大阪地検 (時事通信社 - 06月25日 21:00)

 プロバイダの刑事責任、大阪地検は、不作為の幇助説なんですね。

http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=soc_30&k=2007062500858
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070625-00000167-jij-soci
学校裏サイト」管理人不起訴=書き込み、名誉棄損ならず−大阪地検 (時事通信社 - 06月25日 21:00)
 インターネットの掲示板で、女子中学生を実名で中傷する書き込みを放置したとして、名誉棄損のほう助容疑で書類送検された掲示板管理人の20代男性=大阪市=について、大阪地検は25日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
 同地検は、書き込みの内容が名誉棄損ではなく、侮辱に当たると判断した。刑法の規定で、侮辱のほう助は罰することができない。
 男性は昨年10月から11月にかけ、大阪市内の私立中学の情報を扱った「学校裏サイト」で、当時13歳の女子生徒を実名で中傷する書き込みを削除するよう保護者が要請したのに拒否して放置。今年1月、大阪府警書類送検されていた。 

http://www.nhk.or.jp/osaka/lnews/03.html
これについて、大阪地方検察庁は掲示板に「うざい」などと記された書き込みは具体的な事実を指摘して相手を中傷する名誉棄損にはあたらず、事実を指摘しないで中傷する侮辱にあたると判断しました。
そして侮辱のほう助については刑事責任を問う規定がないとして大阪地方検察庁は男性を不起訴にしました。

 この解釈では、管理者の刑事責任の面では、掲示板での侮辱はやらせ放題ということになります。

刑法
第64条(教唆及び幇助の処罰の制限)
拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆者及び従犯は、特別の規定がなければ、罰しない。
第231条(侮辱)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。