逮捕されて、「児童ポルノ・児童買春野郎」と烙印(スティグマ)を押されると、社会的制裁(懲戒とか)も予想されるし、量刑もわかってるし、罰金でも執行猶予でも制裁が強烈なことに変わりないので、慣れてくると弁護人は意外とすることがない。
自白事件で事案を把握すれば、懲戒免職になって、どれくらいの罰金・懲役(執行猶予の可能性)になって、身柄拘束は何日くらいで・・・とわかってしまうし(紙に書いて渡しますよ。似た事例の裁判結果を挙げれば足りる。)、その通りになるか弁護活動の成果を反映してそれよりちょっと軽くなる。
前科前歴とか犯情の関係で執行猶予が厳しいとか微妙という場合(どういう場合がそうなのか?境界線は奥村に聞いてください)、被告人側としては軽くなる・猶予が付くというのならなんでもしますよね。
児童ポルノ・児童買春の場合は、情状立証としては被害弁償が一番効く。個人的法益だから。
となると、数十年前の写真集について、探偵頼んで、所在を確認しにいきます。
所在がわかれば、例えば、40才くらいの「被害児童」に、16才ころ販売していた写真について、弁償しにいくわけです。人によっては「弁償なんか要りません」ということになりますよね。
まあ、結果はともかく「個人的法益というので、そこまでやりましたよ」ということで、その辺の経過を裁判所に報告する。
どこまでやるかというと、裁判所に相談しながら
弁護人「さらに、被害弁償関係の情状立証として・・・をする予定」
裁判所「そこまでするんですか?」
弁護人「それが弁護人の仕事だから、できるところまでやりますよ。」
裁判所「そこまでする必要があるんですかと申し上げているんですよ。」
弁護人「適当に止めて実刑になっちゃったら申し訳が立たないから、できるところまでやるということです。」
裁判所「お気持ちはわかりますが、必要な程度でほどほどにしてください。」
弁護人「・・・・・」
というところまでやる。
全部の事件ではなく、重い事例では情状弁護も厚くということです。
被害者がいる罪で、他の弁護方針というのは考えられません。