児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

人身売買罪「初適用」事例(神戸)は、職業安定法違反・児童福祉法違反(引渡)

 結局、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律は見送られました。

 報道

  • 児童福祉法違反、ホストクラブ経営者ら起訴 /神戸 - 毎日新聞 2004年6月17日(木)
  • ホストクラブに借金の2少女に売春させる 「人身売買」容疑初適用、2人逮捕 - 読売新聞 2004年5月27日(木)

 売った側は職業安定法違反・児童福祉法違反(引渡)で地裁(職業安定法の方が重い!)、買った側は児童福祉法違反(淫行させる行為)で家裁。
 
 人身売買罪については、買った側が児童であることを確定的に認識していたか疑問があることから見送られたのではないかと推測します。
 これから買おうとする者に過失があっても法9条本文は適用されないからでしょう。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
第9条(児童の年齢の知情)
児童を使用する者は、児童の年齢を知らないことを理由として、第五条から前条までの規定による処罰を免れることができない。ただし、過失がないときは、この限りでない。

児童福祉法第34条〔禁止行為〕
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
七 前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知つて、児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知つて、他人に児童を引き渡す行為

職業安定法
第63条
次の各号のいずれかに該当する者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者