児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童に淫行させる行為と児童ポルノ製造罪

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050308-00000035-san-soci
の逮捕容疑は児童福祉法違反のようです。
 まあ、起訴罪名はわかりませんがこのままだとして、児童ポルノ製造との罪数どうなんでしょうか?観念的競合・牽連犯ではないですよね。併合罪なら、児童福祉法違反は家裁、児童ポルノ・児童買春罪は地裁、という泣き別れ。

 ちなみに、児童買春罪と児童ポルノ製造罪については併合罪(金沢支部H14.3.28)。
 自作自演している場合は、演技の部分(性行為)は、買春罪と製造罪とで重複しているのですが、その他は重ならないじゃん、ということです。 

名古屋高裁金沢支部平成14年3月28日
(3)所論は,原判示第3の1の買春行為がビデオで撮影しながら行われたものであることから,上記児童買春罪と原判示第3の2の児童ポルノ製造罪とは観念的競合となるともいうが(控訴理由第21),両罪の行為は行為者の動態が社会見解上1個のものと評価することはできないから,採用することはできない(なお,所論が原判示第3の2の児童ポルノ製造罪の罪数に関して主張する点(控訴理由第4)は,そもそも本件では被撮影者は1人しかいないのであるから,問題とならない。)。

第37条(公訴の提起) 
次に掲げる成人の事件については、公訴は、家庭裁判所にこれを提起しなければならない。
一 未成年者喫煙禁止法(明治三十三年法律第三十三号)の罪
二 未成年者飲酒禁止法(大正十一年法律第二十号)の罪
三 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第五十六条又は第六十三条に関する第百十八条の罪、十八歳に満たない者についての第三十二条又は第六十一条、第六十二条若しくは第七十二条に関する第百十九条第一号の罪及び第五十七条から第五十九条まで又は第六十四条に関する第百二十条第一号の罪(これらの罪に関する第百二十一条の規定による事業主の罪を含む。)
四 児童福祉法第六十条及び第六十二条第五号の罪
五 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条及び第九十一条の罪
2 前項に掲げる罪とその他の罪が刑法(明治四十年法律第四十五号)第五十四条第一項に規定する関係にある事件については、前項に掲げる罪の刑をもつて処断すべきときに限り、前項の規定を適用する。

刑法
第54条(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)
1 一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

 泣き別れになると、併合の利益がないから、量刑は重くなる傾向があります。