奥村弁護士は刑事事件で被告人から解任されたことはありませんが、遠方でも受任するせいでしょうか、遠方の事件では
遠い
交通費・日当が高くつく
とかいう理由で、選任した人以外の関係者から交替・辞任を求められることがあります。遠いから旅費日当がかかるのは最初から判ってることですが、そういう理由でクレームがつく。
そんなときは解任されるまでもなく、被告人(選任者)の意思確認をして辞任することになります。
そう説明すると、選任した人以外の関係者はたいてい
なんですぐ辞めないんだ
悪徳弁護士じゃないのか?
などと言われますね。
しかし、まあ、弁護人は被告人の利益に動きますから、なんといわれてもそういう対応になります。
なんで、弁護士の悪口はいつも「悪徳」なんでしょうか?あんたからお金もらってないし、請求もしてないのに。気分を害されます。
早く意思確認して辞任しちゃえば気楽ですが、特に児童ポルノ・児童買春事件では、無知な弁護人による失敗弁護で実刑になる方が居ますからね、被告人の利益が気掛かりです。弁護人交替の結果は自己責任なんですが、気の毒です。
そんな場合が実際にあって、気分が悪かったのは乗りこえて、控訴審から甦って受任しましたね。原審弁護人は被害感情を逆なでする弁護をしていました。そこを補って、結果としてちょっと減軽されて(さらに法定通算がある)、被告人は大変喜んでましたが、弁護人は複雑でした。最初からやらせといてもらえれば、もっと軽かったはずですから。辞任させた「関係者」を怨んで下さい。
刑事訴訟法
第30条〔弁護人の選任権者〕
被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。
②被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。