児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ動画をネット購入し転売、保管容疑で逮捕

http://www.asahi.com/national/update/0708/023.html

 継続犯は今日から重くなるって言ってるのに、そのそばから摘発されました。
 昨日なら3年、今日だから5年。
 東京の弁護人もビックリするでしょう。まだまだ「わいせつ図画で懲役2年」「被害者なき犯罪」と確信している弁護人もいるから。

 なお、保管罪ができても、所持罪の解釈は変わりませんから、
       自宅のパソコンのハードディスク内
というなら、所持罪じゃないか?
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20040515#p1

「保管」というのは、オンラインストレージを典型として、事実上の物の支配が及んでいないが、データは自由に処分できる状態だと思うよ。奥村説。
 HDDを児童ポルノとするのはやめて、データのみを児童ポルノとして立件するつもりなら別だが、没収ややこしいぞ。「消去」という没収方法ないぞ。
 チャレンジャーだな警視庁

 有体物なら「所持」、データのみなら「保管」

2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。

7条5項
前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

条解刑法
7)保管 有体物の所持に相当する行為であり,電磁的記録の情報を自己の管理,実力的支配内に置くことである。例えば,パソコンのハードディスクに保存する行為や情報の入っているスキマーやフロッピーディスク等の記録媒体を所持する行為等がこれに当たるが,保管についても,その方法のいかん,有償・無償を問わない。

西田典之「カード犯罪と刑法改正」ジュリストno.1209
5)。本条2項にいう保管とはすでに述べたような「カード情報」の保管である。その形態は,スキマーのなかにデジタル情報として保管したり,FDに移し変えて保管することが多いであろうが,数字情報として紙媒体に記録して保管する場合もありえよう