児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

国家公安委員会にて

http://www.npsc.go.jp/report16/5_13.html
定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成16年5月13日(木)

午前10時 〜 午後0時50分

第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、情報通信局長、長官官房審議官(警備局担当)、首席監察官、政策評価・情報公開企画官


(8)ファイル共有ソフトWinnyの利用者及び開発者に係る著作権法違反事件の検挙について

生活安全局長から、「京都府警察は、昨年11月27日にファイル共有ソフト Winny を利用して著作権者に無許諾で映画やゲームの著作物を自動公衆送信可能な状態にしていた被疑者2人を著作権法違反(公衆送信権の侵害)で逮捕した事案に関し、本年5月10日、当該ソフトを開発、提供した大学教員を同法違反(幇助)で逮捕した。」旨の報告がなされた。

安崎委員より、「Winnyを利用して映画やゲームのソフトを自動的に送信可能な状態にしたとして著作権法違反で逮捕された被疑者は、それぞれどれだけの不正な利得を得ていたのか。また、実情をよく知らずに質問しているのだが、今回Winnyの開発者を幇助という罪で著作権法違反に問うのは、取締りの行き過ぎという懸念はないのか。つまり、本来インターネット事業者や基本ソフトの開発者が、Winnyのようなソフトの開発に対抗し、盗まれないような技術開発を行って著作権の保護を図る第一責任者あるいは当事者ではないかと思う。ITの世界は日進月歩であり、現在の著作権法は、今日のインターネット時代以前に作られたものであり、この辺の事情を棚上げにして直ちにWinnyのようなソフトの開発者を幇助の罪に問うことには若干疑問を感じる。例えは悪いが、地動説や産業革命期の機械の打ち壊しを連想した。いずれにせよ司法の判断を得ることを急ぐべき事件だと思う。」旨、発言があり、生活安全局長より、「Winnyを利用して著作権法違反で逮捕された被疑者らは、これにより不正な利得を得ていたわけではないが、当該ファイル共有ソフトを利用して著作権者の許諾なく映画やゲームのソフトを自動的にインターネット利用者に送信可能な状態にしたことから、著作権法違反として検挙したものである。また、インターネット上のコンテンツの著作権の保護については、現在、著作権法の中でも非常に重要な問題の一つになっており、警察としても関係法令に触れる行為があれば検挙しているところである。」旨、説明し、さらに、長官より、「Winnyの開発者の検挙については、当該ファイル共有ソフトの開発自体を著作権法違反の幇助として捉えたものではない。その開発段階から警察の捜査を困難とするため匿名性を高めるとともに、これを利用すれば著作権法違反となり、また、そのために利用されることを認識しながらこれを一般に提供している、更には警察に摘発されないことをネット上で説明する等、こうした行為全体を捉えて、京都府警察では同法違反の幇助として検挙したものと理解している。」旨、説明した。

渡邊委員より、「今回、このファイル共有ソフトの開発者が逮捕されたとしても、ソフト自体がなくなるわけではなく、現在も多くの人達が保有しているのだとすると、これらの人達がこのソフトを利用することは犯罪となるのか。」旨、質問があり、生活安全局長より、「当該ファイル共有ソフトを利用して他人の著作物をその許諾なく誰もが自由に入手できるような状態にした場合には著作権法に違反する。」旨、説明した。