児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

人身売買防止のための米国の行動

 アメリカは法定刑も長いし、併合罪も足し算式だし、公訴時効もない。
 日本は、法定刑は短いし、併合罪でも1.5倍まで、公訴時効も短い。
 某外国の同じ売春宿で児童買春していた日本人とアメリカ人が検挙されても、これだけ違うことになる。
 アメリカ人は日本で処罰されたいと思うだろう。
 

http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20040205-51.html
国務省人身売買監視対策室
ワシントンD.C.
2004年2月5日
人身売買根絶に向けた米国政府の取り組みにおける最近の動向
 人身売買は、多数の人々の基本的人権を否定し、公衆衛生に深刻なリスクをもたらし、世界中で組織犯罪を増加させる。人身売買は、暗くて不快なテーマだが、光を当てなければならない問題である。
 米国は、営利のための性的搾取を目的とした人身売買を含む、人身売買の防止に向けて重要な行動を取ってきた。
● 2003年4月、ブッシュ大統領は、児童保護法(PROTECT Act)に署名した。この法律は、子供たちを虐げる者を厳重に処罰すると同時に、子供の保護にとって画期的なものである。児童保護法は、未成年者に対するわいせつ行為を目的に外国を訪れる米国人を、違法行為を犯す事前意思の証明なしに訴追することを法執行官に認めている。同法はまた、事実上あらゆる場合において、子供に対する誘拐または肉体的・性的虐待を伴う犯罪に、一切時効を認めないことを明確にしている。また、児童を餌食にする目的で外国に旅行(買春旅行)する犯罪者を処罰する様々な法律を強化する。そうした米国の旅行者は今や、犯罪が国外で行われようとも、国内の児童虐待・児童搾取法による処罰の対象になり、これまでの最高15年から最高30年の禁固刑に処せられる。
● 2003年12月、ブッシュ大統領は、人身売買犠牲者保護法を再承認した。これにより、現代奴隷制度と戦う米国の世界的な活動が多くの方法で加速される。

− 人身売買、特に外国人女性に対する虐待を見て見ぬふりをしている目的地国に対処する手段が得られる。
− 各国の進捗状況を評価する上で、人身売買業者の有罪判決と処罰を逮捕と同様に重要なものとして扱う。
− 統計的監視の改善を求め、人身売買に関連する重要な法執行データへのアクセスが得られる。
− 人身売買業者訴追、虐待防止、犠牲者保護に対するコミットメントを後退させている国の監視リストを作る。
● ブッシュ大統領は、奴隷制度との戦いを米国の最優先事項に取り上げた。2003年9月に国連で行った演説の中で、ブッシュ大統領は、奴隷制度を「最も罪のない人々を虐待し搾取する特別な悪行」と呼んだ。大統領は、「このような業界をひいきにする者は、自己を卑しめ、他の苦悩を深める者である」と断言した。かかる取引を黙認する政府は、一種の奴隷制度を黙認していることになる。大統領は、人身売買との国際的な戦いを支援するために5000万ドルの資金を約束した。

● 米国は、人身売買の犠牲者を支援し、買春旅行や人身売買の危険を強調する努力を進めながら、他の国々と積極的に協力してこの国境を越えた犯罪と戦っている。2003年度には、ほぼ9350万ドルにのぼる米国政府の資金が、世界各地の人身売買防止活動につぎ込まれた。

● 米国の進展は現実のものであり、戦いは多くの前線で行われている。
− 国務省がまとめた人身売買年次報告書により第3段階(3段階の中で最低の順位)にランクされた15カ国のうち10カ国が、人身売買に対する戦いに向けて素早く対応した。この対応には、国の人身売買防止法案の可決、法執行機関の訓練開始、一般国民を教育する活動、逮捕がある。
■ 2002年度と2003年度には、5400万ドルを上回る支援が70を超える国々に与えられ、人身売買防止法の執行、犠牲者支援、法整備、そして地域協力がが強化された。
 
− 国内の人身売買問題への取り組みにより、司法省は、2003年5月以降国外における未成年者に対する性的違法行為の罪で8人の米国人を逮捕した。2001年度から2003年度にかけて、111人の人身売買業者が告発された。この数は、その前の3年間に比べほぼ3倍の数になる。2004年1月現在で、刑事局では、142件の未解決の人身売買事件の捜査が行われている。
 
■米国史上最大の人身売買事件に対して予定されていた刑の宣告。縫製工場の韓国人オーナー他2人に対して、米国領サモアで250人を超えるベトナム人・中国人労働者を奴隷にしたかどで、ハワイにおいて有罪の判決がくだされた。
 
− 保健・福祉省は2003年9月30日の時点で、448人を人身売買犠牲者と認定し、難民と同等のサービスを与えることを認めた。
 
■保健・福祉省は現在、犠牲者支援に対する認識を高める公共キャンペーンを展開している。その対象は、地元の警察と保健関係者である。
 
− 労働省は、違法な児童売買・労働搾取への世界の関心を高めるため、27カ国にほぼ4800万ドルの資金を提供した。
 
■チャオ労働長官は、最近アフリカを訪れて児童売買の犠牲者と面会し、児童労働摘発のための新たな行動について強調した。
 
− 国防総省監査官室は、韓国やボスニアコソボで性的目的の人身売買や売春を増加させる可能性のある活動に関して、米軍が現政権の非寛容政策をどの程度順守しているかについての評価を2度にわたり行った。2004年初頭に、国防総省は、具体的な目標の概略を述べた指令を出した。これには、全軍人および国防総省職員全員に対する人身売買防止の教育義務が含まれている。
■海外における国防総省のサービス契約には、人身売買に関連する禁止令を明確にするため、新しい文言が採用されている。
− 国土安全保障省は、昨年の夏「捕獲作戦」(Operation Predator)を開始した。この作戦は、サイバー・情報収集・調査や拘束などのあらゆる手段を駆使して、児童を国際買春旅行者・人身売買業者・売春組織から守るための包括的行動である。逮捕という成果が既に出ている。
ワールド・ビジョンおよびECPAT(児童買春・児童ポルノ・性的目的による児童売買を根絶する非政府組織の国際的ネットワーク)と協力して、国土安全保障省は、法律執行力をもって、国際非政府組織の懸命な努力を後押ししている。
− 米国国際開発庁は、40を超える国々で人身売買防止プログラムを実施し、一般国民を教育する活動、保護施設とカウンセリングによる犠牲者の保護、人身売買犯罪者の訴追を強化するための法改革など、広範な人身売買防止への取り組みを支援している。
 
− 中央情報局は、新たな情報を収集・コード化し、2004年人身売買報告書用のデータベースをまとめている。