児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

開かれた新聞:委員会から 6月度 児童・青少年と性情報 報道は何を伝えたか2010.07.05 毎日新聞

慎重派。

 毎日新聞「開かれた新聞」委員会の月例報告(6月度)は、18歳未満の漫画のキャラクターによる性描写を掲載した本の販売を制限する「東京都青少年健全育成条例改正案」と、政府の総合対策案に盛り込まれた「児童ポルノサイトへのブロッキング導入」の二つのテーマに関する報道について取り上げました(意見は東京本社発行の最終版に基づきました)。

 ◇通信の秘密への新聞の反応鈍感−−吉永みち子委員(ノンフィクション作家)
 ◇規制を是認する風潮には違和感−−玉木明委員(フリージャーナリスト)
 ◇問題の本質追う気迫感じられず−−田島泰彦委員(上智大教授)
 ◇被害者の視点で情報倫理確立を−−柳田邦男委員(作家)
 ◇規制を監視します
【社会部長・小泉敬太】

<サンデー討論>児童ポルノ規制のあり方は*杉田聡さん、山田健太さん2010.07.04 北海道新聞

 両論併記。

 インターネット上での児童ポルノの拡散を防ぐため、政府は接続事業者と連携し、画像を見つけた際にアクセスを遮断して閲覧できなくするブロッキング(強制遮断)の導入を検討している。規制のあり方を専門家に聞いた。

*帯広畜産大教授 杉田聡さん*ネット強制遮断 導入を
専修大文学部准教授 山田健太さん*表現の自由制限 慎重に

<見守り隊>72歳ボランティア、女児の体触り起訴

 立場利用は重いんですよ。
 車に「子供110番」のステッカーを貼ってわいせつ目的誘拐したという実刑事案もありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100706-00000005-mai-soci
<見守り隊>72歳ボランティア、女児の体触り起訴
 小学生の登下校の安全を見守る地域活動を通じて知り合った女児の体を触ったなどとして、京都府城陽市、ボランティア「見守り隊」の一員で無職の被告(72)が京都府警に逮捕され、強制わいせつ罪で京都地検から起訴されていたことが分かった。検察は「ボランティアの立場を悪用し、悪質だ」として、5日の公判で懲役1年6月を求刑。被告は「可愛くてやった。大変申し訳ありません」と謝罪した。
 起訴状などによると被告は3月、小学生の女児に「バレンタインデーのお返しをしたいから、家に1人で来て」と言って自宅へ呼び出し、胸を触りキスをした、とされる。

教え子の女子高生にみだらな行為、妊娠…教諭逮捕

 相談もこんなんばっかりです。
 青少年条例違反なら懲役2年、児童淫行罪なら懲役10年です。
 児童淫行罪に延焼しないように
 5月に発覚、7月に逮捕。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100706-OYT1T00627.htm
容疑者は今年4月17日、一宮市内のホテルで、女子生徒が18歳未満と知りながら、みだらな行為をした疑い。女子生徒は妊娠し、翌5月、別の教諭に相談して発覚した。調べに対し、容疑を認めているという。
 容疑者は昨年度、交流人事の一環で、岐阜県内の高校に数学教諭として赴任。1年生のクラスの担任を務め、女子生徒とは昨年9月から交際していたという。
 記者会見した県教委の丹羽章・教職員課長は「教員としてあるまじき行為だ。再発防止に努める」と話した。

http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11124/houkishu/33590101003700000000/41990101000500000000/41990101000500000000_j.html
岐阜県青少年健全育成条例
(みだらな性行為等の禁止)
第二十三条 何人も、青少年に対して、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
第四十八条 第二十三条の規定に違反した者(青少年を除く。)は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

1回結審で実刑判決→控訴という弁護方針

 なりすましの私文書偽造・行使は重いんですが、どうして初公判で結審してしまったのか。
 実刑事案だと覚悟すれば、道路交通の規範意識を回復させるためにもう一度教習所に通うとかやると、一回では終わらないと思うんですが。
 被告人としても、思いっ切り情状立証させてあげた方があきらめも付くだろうし。

無免許運転>元高浜市議の控訴棄却 名高裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100705-00000036-mai-soci
告(57)の控訴審で、名古屋高裁は5日、懲役1年2月を言い渡した名古屋地裁岡崎支部判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。下山保男裁判長は「無免許の常習性が認められ、規範意識が乏しい」と指摘した

高浜市議の無免許運転:被告の辞職願、市議会全会一致で許可 /愛知(122文字)(毎日新聞) - 2010年3月25日(木)
無免許運転実刑判決 高浜市議が辞職届=中部(131文字)(読売新聞) - 2010年3月18日(木)
愛知・高浜市議の無免許運転市議控訴(123文字)(毎日新聞) - 2010年3月18日(木)
高浜市議の無免許運転:説明要求に「話せない」 市民、議会に謝罪の言葉なく /愛知(491文字)(毎日新聞) - 2010年3月18日(木)
あいち・日曜リポート:実刑判決・高浜市議の辞職拒否 勧告決議、拘束力なく /愛知(1160文字)(毎日新聞) - 2010年3月14日(日)
高浜市議の無免許運転実刑判決 市議会、再度の辞職勧告も /愛知(300文字)(毎日新聞) - 2010年3月6日(土)
高浜市議に実刑判決 「無免許運転、順法精神低い」=中部(266文字)(読売新聞) - 2010年3月5日(金)
高浜市議の無免許運転実刑判決 裁判官「順法精神、低い」 議長も強く批判 /愛知(486文字)(毎日新聞) - 2010年3月5日(金)
愛知・高浜市議の無免許運転市議実刑−−地裁岡崎支部判決(345文字)(毎日新聞) - 2010年3月4日(木)
愛知・高浜市議の無免許運転市議に2年を求刑−−初公判(417文字)(毎日新聞) - 2010年2月18日(木)
高浜市議の無免許運転市議の辞職勧告決議を可決−−市議会 /愛知(282文字)(毎日新聞) - 2009年12月22日(火)
高浜市議の無免許運転:民主県連、市議を除籍 /愛知(154文字)(毎日新聞) - 2009年12月15日(火)
高浜市議の無免許運転市議会、市議への辞職勧告を決議へ /愛知(340文字)(毎日新聞) - 2009年12月2日(水)
無免許運転容疑で高浜市議を逮捕=中部(309文字)(読売新聞) - 2009年11月25日(水)
無免許運転:愛知・高浜市議を容疑で逮捕−−碧南署(376文字)(毎日新聞) - 2009年11月25日(水)

強盗犯人が,女子を強姦して傷害を与えた場合刑法241条前段の強盗強姦罪のみ(名古屋高裁H21.2.17)

 強盗強姦致死罪はあるんですが、強盗強姦致傷罪がないんですね。
 うろ覚えですが、強盗+αという場合は、だいたい、強盗罪の類型にまとめて評価しておけばいいんですよね。

裁判速報732号
刑法241条前段の強盗強姦罪は,致傷を伴わない強盗強姦にも,致傷を伴う強盗強姦にも適用されるものの,致傷を伴うか否かで事実の内容が異なるし,その有無は社会的にも,被告人の防御の上でも重要なものというべきであるから,審理の過程でその点が主張,立証されていても,訴因変更手続を経ることなく,致傷を伴わない強盗強姦の訴因で,致傷を伴う強盗強姦として致傷の点をも実質的に処罰することは許されないというべきである。

第236条(強盗)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
第238条(事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
第239条(昏酔強盗)
人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。
第240条(強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
第241条(強盗強姦及び同致死)
強盗が女子を強姦したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。よって女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。

裁判員裁判:地裁 判決当日に訴因追加 女性暴行、求刑通り懲役8年 /千葉

 訴因変更だから、罪数判断に変化がないので、変更後の2罪は包括一罪なんですかね?そこを併合罪だ(訴因変更は無効だ)という控訴は普通しませんよね。
  強姦致傷・・・無期又は五年以上の懲役
  ↓
  強制わいせつ致傷・・・無期又は三年以上の懲役
  強姦罪・・・三年以上の有期懲役

 いずれにしても無期懲役まであるのに強姦の犯意の発生時期というのは、情状として主張したと思うんですが、量刑は変わらなかったようです。

第177条(強姦)
暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
第181条(強制わいせつ等致死傷)
第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。
3 第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100706-00000085-mailo-l12
女性に性的暴行を加えてけがをさせたとして、強姦(ごうかん)致傷罪に問われた男の裁判員裁判で、千葉地裁(小坂敏幸裁判長)は5日、「同罪は成立せず、強制わいせつ致傷と強姦罪にとどまる」として求刑通り懲役8年の実刑判決を言い渡した。強制わいせつ致傷と強姦罪は、判決当日、言い渡し前に検察側が訴因に追加した。無罪判決を避けたとみられる。裁判員裁判での訴因追加は全国的に異例。

判決によると被告(29)は09年10月9日、千葉市の路上で帰宅途中の女性を地面に押し倒し、顔を殴るなどで3週間のけがをさせ、わいせつな行為をした。さらにその後、別の場所で性的暴行を加えた。
 公判で検察側は「暴行、脅迫した当初から強姦するつもりだった」と主張したが、小坂裁判長は「被告の行動から推し量ると、当初から暴行の意思があったことが間違いないとまでは言えない」と退けた。捜査段階の自白の信用性も「被告が複数回訂正を申し入れており、真意とは認めがたい」と否定した。
 判決後の裁判員会見で、30代男性会社員は「もっと調べられないかといらだつ部分もあった」と検察側の調べ不足を批判。過去の強制わいせつ致傷事件で判決の量刑が軽いとの指摘も相次いだ。