児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

人は.意思に反して他者の性的衝動・性的欲求の対象とされない権利を有し.わいせつ行為とはそのような権利を害しうる行為を意味すると解される(成瀬・後掲(下)29頁).成瀬幸典強制わいせつとわいせつ概念法学教室No.468 福岡高裁H31.3.15

 わいせつの定義をどんどん聞いて下さい。
 幼児の場合はどう説明するのかな。

[解説】
1 かつての学説・判例は.本罪のわいせつ行為を「性欲を興奮又は刺激せしめ.かつ. 一般人の性的羞恥心を害し.善良な性的道義観念に反する行為」としていた(成瀬・後掲上15頁) 。弁護人の主張の核心は.それを前提としつつ,本件行為は職場の宴会における悪ふざけ・嫌がらせとして着衣の上から行われたものであり
また下線③の事実に照らすと「性欲を興奮又は刺激せしめ」るものではなく.わいせつ行為に該当しないという点にあると解される。
これに対し.本判決は,わいせつ行為につき, 29年判決を引用した上で(下線①),下線② のように解すべきだとした。
弁護人が前提とするわいせつ行為の理解はわいせつ物頒布等罪における「わいせつ」概念に関する最高裁判例最判昭和26・5・10
刑集5巻6号1026頁等)を踏襲したものであるが,現在の多数説は同罪と本罪の保護法益の相違に照らし.本罪のわいせつ行為は, より広く「被害者の性的羞恥心を害する行為」と解すべきでありただ性的羞恥心は個人差が大きいこと等に鑑み,一般人の見地から見ても性的羞恥心を害するものであることが必要であるとしている(西田典之〔橋爪隆補訂〕「刑法各論〔第7版〕」98頁以下等) 。本判決の下線② はこれと同趣旨といえ近年の学説の理解に沿ったものと評しうる。