児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

少年法37条削除の理由~調査と情報第963号

 児童ポルノ・児童買春法を少年に理解のある家庭裁判所が取り扱うのが適当であるということで家裁管轄にしておけば混乱無かったでしょうね。

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10356511_po_0963.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
調査と情報―ISSUE BRIEF―
第963号
No. 963(2017. 5.25)
少年法の適用年齢引下げをめぐる議論
(3)平成 20(2008)年改正
平成 20(2008)年改正24では、少年審判における犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図るため、被害者等による記録の閲覧及び謄写の範囲の拡大(第 5 条の 2 第 1 項)、被害者等の申出による意見の聴取の対象者の拡大(第 9 条の 2)、一定の重大事件の被害者等が少年審判を傍聴できる制度の創設(第 22 条の 4)、家庭裁判所が被害者等に対し審判の状況を説明する制度の創設(第 22 条の 6)がなされた。
また、少年の福祉を害する成人の刑事事件に、より適切に対処するため、その管轄が家庭裁判所から地方裁判所等へ移管された(第 37 条及び第 38条の削除25)。26
 
25 改正前の少年法第 37 条では、第 1 項に掲げる児童福祉法違反(児童に淫行をさせる行為等)のような少年の福祉を害する成年の刑事事件は、家庭裁判所が第一審の裁判権を有するものとされていた。この規定が設けられたのは、このような成人の刑事事件は、少年事件を専門に扱い少年に理解のある家庭裁判所が取り扱うのが適当である
等の理由によるものであったが、同項に掲げる事件とそれ以外の事件とが併合罪の関係の場合、家庭裁判所地方裁判所等に別々に公訴が提起され、審理期間が不当に長くなる等の問題が指摘されていた。また、改正前の少年法第 38 条では、家庭裁判所は、少年に対する保護事件の調査又は審判により、少年法第 37 条第 1 項に掲げる事件を発見したときは、これを検察官又は司法警察員に通知しなければならないとされていた。しかし、家庭裁判所の調査・審判の過程において発見されることが多い少年の福祉を害する成人の刑事事件は、第 37 条第 1 項に掲げる事件に限られるものではなく、仮に通知の対象となる規定を整備すると、対象事件の範囲がかなり広がり、刑事訴訟法第 239 条第 2 項に基づき公務員に求められる告発に近づくことになるため、少年法第 38 条のような規定をあえて維持する必要性は低くなる。こうした事情を踏まえ、両規定が削除されることになった。(岡崎忠之「法令解説少年審判における犯罪被害者等の権利利益の一層の保護等を図るための法整備 少年法の一部を改正する法律」『時の法令』no.1822, 2008.11.30, pp.14-16.)
26 詳しい内容は、同上, pp.6-16 参照。