児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

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AV強要事件・・わいせつ電磁的記録記録媒体頒布、職業安定法違反、強要、わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持被告事件について、保護観察執行猶予とした原判決を破棄して、実刑にした事案(大阪高裁h30/3/28)

■28261626
大阪高等裁判所
平成30年03月28日
上記の者に対するわいせつ電磁的記録記録媒体頒布、職業安定法違反、強要、わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持被告事件について、平成29年10月20日大阪地方裁判所が言い渡した判決に対し、検察官から控訴の申立てがあったので、当裁判所は、検察官大口康郎出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文
原判決を破棄する。
被告人を懲役2年6月及び罰金30万円に処する。
その罰金を完納することができないときは、金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

理由
 本件控訴の趣意は、検察官A作成の控訴趣意書に記載のとおりであり、これに対する答弁は、弁護人菅谷幸彦作成の答弁書に記載のとおりであるから、これらを引用する。控訴趣意の論旨は、被告人を懲役3年及び罰金30万円に処した上で、懲役刑につき5年間保護観察付きで執行を猶予するとした原判決は、軽きに失して不当であり、被告人を実刑に処するべきである、というのである。
 そこで、記録を調査して検討する。
 本件は、若い女性の映像を記録した成人男性向けDVDの制作、販売を行っていた被告人が、わいせつDVDを販売し(原判示第1の1)、これを販売目的で所持し(同第1の2)、また、性交等をする映像の撮影のため、当時18歳の女性3名を出演者としてそれぞれ勧誘して労働者を募集し(同第2、第4、第5)、そのうち1名の女性を脅迫して、自らの意志でわいせつ行為の撮影に応じた旨の文言を書面に記載することを強要した(同第3)、という事案である。
 原判決は、被告人が合計約700枚ものわいせつDVDを販売目的で所持しており、これが販売された場合には我が国の健全な性的秩序を害する程度は大きかったこと、DVDの撮影に際し性交等をする意思などなかった女性を勧誘した態様が巧妙で悪質であること、それら女性に当たらせた業務の有害性が高いことなどを説示する一方で、本件で量刑の中心となるのは職業安定法違反の犯行であり、しかもそこで、女性の本意に反してわいせつな行為を行わせて撮影した点やそれにより生じた精神的苦痛等を過度に重視することはできないとして、本件は職業安定法違反の罪の中では悪質な部類に属するものの執行猶予を付す余地もある事案であるとし、その上で、被告人に青少年保護育成条例違反、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の罪による執行猶予付きの前科があり、本件はほとんどがその執行猶予期間中の犯行であること、他方で被告人が1名の女性に慰謝料名目で20万円を支払うと共に、反省の態度を示していること等の事情も勘案して、被告人を懲役3年及び罰金30万円に処しつつも、懲役刑について5年間の保護観察付き執行猶予を付した。
 これに対し、所論は、本件事案の中核をなすのはわいせつDVDの有償頒布及び同目的所持の事実であって、これを量刑判断の中心と位置付けるべきである等と主張して、懲役刑の執行を猶予した原判決の量刑は軽すぎて不当であるという。
 この点、わいせつDVDの有償頒布等の罪の法定刑と職業安定法違反の罪のそれとを比較した場合、後者のほうがかなり重い上、本件における職業安定法違反の各犯行がこの罪名の犯行としては軽微な部類に属するなどといえないことも明らかであるから、本件について量刑を判断するにあたり原判示第1の1、2の各犯行を中心に評価すべきであるとする所論を直ちに採用することはできない。
 しかし、被告人は国内に複数箇所の撮影拠点を設けて職業的にわいせつDVDの制作販売を行う中で、原判示第1の1、2の各犯行に及んだのであり、これらも軽微な犯行といえないことは明らかである。また、原判示第3の犯行は、女性の本意に反してその姿態等を撮影した点を糊塗するために行った犯行であって、悪質なものである。したがって、本件被告事件の犯情を評価するに当たって最も重視すべきなのが原判示第2、第4及び第5の職業安定法違反の各犯行であるにしても、原判示第1の1、2や原判示第3の各犯行を軽視することはできない。しかるに、原判決は、職業安定法違反の各犯行について執行猶予を付する余地があるとするのみで、原判示第1の1、2及び第3の各犯行も併せて考慮した場合にも執行猶予を付する余地があるかどうかを十分に検討した形跡がない。
 また、被告人は、平成24年3月に、青少年保護育成条例違反、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の罪により懲役3年(5年間執行猶予)に処せられたところ、本件各犯行は、原判示第1の2を除き、いずれも上記執行猶予期間中の犯行である。上記前科と本件とは、罪名は異なるものの、全く異質の犯罪であるということはできないから(特に、原審乙第1、第2号証によれば、上記前科に係る各犯行の中には、ビデオ出演のモデルを募って応募してきた女子児童を対象とする児童ポルノ製造やわいせつ行為もあったことが認められ、本件各犯行との間に背景の共通性があるといえる。)、原判示第2、第4及び第5の各職業安定法違反の犯行の犯情を評価するに当たっても、類似する前科の存在や、自重を求められる執行猶予期間中に反復された犯行であることを適切に考慮しなければならない。この点、弁護人は、児童の保護を目的とする法規に違反した前科の各犯行と対象が児童ではなかった本件各犯行とは異なる旨を主張するが、対象者をみだらで有害な行為から保護するという意味では、前科の各犯行と本件のうち職業安定法違反の各犯行との間に類似性があることが明らかである。しかし原判決は、犯情に関する事実の評価の段階で、上記前科の存在等を十分に踏まえて検討した形跡がない。
 そうすると、所論は、原判示第1の1、2の各犯行が軽視されたことを批判し、また、上記前科の存在やその執行猶予期間中の犯行であることを軽視すべきでない旨を主張する限りでは、正当というべきである。
 その上で更に検討すると、被告人は、原判示第2、第4及び第5のとおり、営業的に、成人男性向けDVDに出演する女性を募っていたところ、その手口をみると、被告人は、いわゆるコスプレモデルを募集するかのようなウェブサイトを開設した上で、応募しできた女性をまずは美容院に連れて行って被告人が代金を支払ってヘアセットをさせ、それから女性を撮影スタジオに連れて行って個室で二人きりになり、女性に身分証を持たせて写真を撮影するなどして、女性が容易に断れない状況を作り出していたのである。しかも、原判示第4の女性については、撮影承諾の確認書に書いたのが、原判示のように被告人による説得を受けてであったにしても、被告人は、ためらう同女に対し、「断るなら、今すぐ美容院代を返してもらう。」「途中で撮影に来なくなったら、写真とかも公開されることになる。」などと迫って、同女を困惑させながら、確認書への記入を要求していたことが認められる(原審甲第30号証参照)。また、原判示第2の女性については、被告人は、撮影開始に先立って、性的な行為の撮影があるとは分からない内容の確認書に署名させており(原審甲第35号証参照)、実際にどのような撮影であるかを秘匿したまま、確認書への署名という既成事実を作ったといえる。そうすると、特に原判示第2、第4における勧誘、募集の手口は、巧妙で、非常に悪質といわなければならない。以上に加えて、罪質に類似性が認められる上記前科の執行猶予期間中の犯行であることも踏まえれば、職業安定法違反の各犯行だけをみても犯情は相当に悪いというべきである。その上で、多数のわいせつDVDを販売目的で所持し、また、わいせつDVDを実際に販売した原判示第1の1、2の各犯行や、女性の本意に反してわいせつDVDの撮影を行った事実を糊塗しようとした原判示第3の犯行も併せ考えれば、被告人の刑事責任は誠に重いのであり、被告人が1名の女性に20万円を支払ったことや今後の更生を誓約していること等の原判決指摘の諸事情を十分勘案しても、本件は懲役刑の執行を猶予するのが相当な事案ではないというべきであって、原判決の量刑は軽きに失するといわざるをえない。
 論旨は理由がある。
 そこで、刑訴法397条1項、381条により、原判決を破棄し、同法400条ただし書により直ちに当裁判所において判断すべきものと認め、更に次のとおり判決する。
 原判決が認定した[罪となるべき事実]記載の各事実に、刑の全部執行猶予及び保護観察の部分を除いて原判決の[法令の適用]のとおり法令を適用した上で、前記諸事情を考慮して、その刑期及び金額の範囲内で、被告人を懲役2年6月及び罰金30万円に処し、その罰金を完納することができないときは金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置することとして、主文のとおり判決する。
第4刑事部
 (裁判長裁判官 樋口裕晃 裁判官 佐藤洋幸 裁判官 大寄淳)

【文献番号】25549648
大阪地方裁判所
平成29年10月20日第6刑事部判決
       判   決
 上記の者に対するわいせつ電磁的記録記録媒体頒布,職業安定法違反,強要,わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持被告事件について,当裁判所は,検察官鈴木美香及び同藤原真心並びに私選弁護人谷岡俊英(主任)及び同菅谷幸彦各出席の上審理し,次のとおり判決する。
       主   文

被告人を懲役3年及び罰金30万円に処する。
その罰金を完納することができないときは,金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から5年間その懲役刑の全部の執行を猶予する。
被告人をその猶予の期間中保護観察に付する。


       理   由

[罪となるべき事実]
 被告人は,インターネット通信販売サイト「△△△△△△」を運営して成人男性向けDVDを制作・販売し,同サイトで販売するための性交場面等を含むDVDにモデルとして出演させる女性を,コスプレモデル募集サイトを利用して募集し,対価を支払って自ら制作・販売する成人男性向けDVDに出演させていたものであるが,
第1
1【平成29年5月26日付け起訴状記載の公訴事実】
 平成28年10月29日午前0時32分頃,「△△△△△△」を介して購入を申し込んだ不特定の者であるbに対し,同月31日,女性器を撮影記録したわいせつな電磁的記録に係る記録媒体である「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」と題するDVD1枚を東京都渋谷区α□丁目□□番□号cビル□◆にある「△△△△△△」事務所兼撮影スタジオ(以下「東京撮影スタジオ」という。)から宅配便で発送し,同年11月1日,兵庫県伊丹市β□丁目□□番地d□□□号室にあるb方に到着させ,その頃,同所において,これをbに受領させて,代金合計20万7750円(ただし,前記DVD1枚及びこれと同時に販売されたDVD20枚並びに送料750円の合計額)で販売して頒布した。
2【平成29年7月12日付け起訴状記載の公訴事実第3】
 「△△△△△△」で有償頒布する目的で,平成29年5月15日,別紙1の一覧表記載のとおり,大阪市γ区δ□番□□号e□□□□号室ほか4か所において,女性器を撮影記録したわいせつな電磁的記録に係る記録媒体である「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」と題するDVD合計698枚を所持した。
第2【平成29年7月12日付け起訴状記載の公訴事実第1】
 平成26年7月19日午前8時18分頃,東京撮影スタジオにおいて,成人男性向けDVDの出演者として性交等をさせる目的で,コスプレモデル募集サイトを介して応募してきた別紙2記載のC(当時18歳)と面接し,撮影承諾の確認書に氏名,生年月日等を書かせるなどして成人男性向けDVDのモデルとして出演するよう勧誘し,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行った。
第3【平成29年7月12日付け起訴状記載の公訴事実第2】
 平成26年7月19日午後7時23分頃,東京撮影スタジオにおいて,Cに対し,前記第2記載の確認書に「実技エッチも私の意志でしました。」との文言を書き入れさせようとして,顔を近づけてCに対し,「書かないと帰せないよ。」などと強い口調で言って脅迫し,これに応じなければCの自由に害を加える旨告知してCを畏怖させ,よって,その頃,同所において,Cに,前記確認書に前記文言を書き入れさせ,もって人に義務のないことを行わせた。
第4【平成29年6月19日付け起訴状記載の公訴事実第1】
 平成26年11月2日,大阪市γ区δ□番□□号e□□□□号室にある被告人の撮影スタジオ(以下「大阪撮影スタジオ」という。)において,前記第2記載の目的で,コスプレモデル募集サイトを介して応募してきた別紙2記載のA(当時18歳)と面接し,Aを説得して撮影承諾の確認書に「実技エッチもあることを確認しました。」と書かせるなどして成人男性向けDVDのモデルとして出演するよう勧誘し,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行った。
第5【平成29年6月19日付け起訴状記載の公訴事実第2】
 平成28年1月9日,大阪撮影スタジオにおいて,前記第2記載の目的で,コスプレモデル募集サイトを介して応募してきた別紙2記載のB(当時18歳)と面接し,Bに対し,「ほんの少しだけ露出はあるよ。特定の人にしか見られることはないから大丈夫だよ。」などと言って成人男性向けDVDのモデルとして出演するよう勧誘し,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行った。
[証拠の標目]《略》
[法令の適用]
罰条
判示第1の1,2の各所為
包括して刑法175条1項前段,2項
判示第2,第4,第5の各所為
いずれも職業安定法63条2号
判示第3の所為 刑法223条1項
刑種の選択
判示第1の罪 懲役刑及び罰金刑を選択
判示第2,第4,第5の各罪
いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理 刑法45条前段
懲役刑につき 刑法47条本文,10条(刑及び犯情の最も重い判示第2の罪の刑に法定の加重)
罰金刑につき 刑法48条1項
労役場留置 刑法18条(金5000円を1日に換算)
刑の全部執行猶予
懲役刑につき 刑法25条1項(5年間)
保護観察 刑法25条の2第1項前段
[量刑の理由]
1 本件は,若い女性の映像が記録された成人男性向けDVDの制作・販売を行っていた被告人が,わいせつDVDを販売目的で所持して(判示第1の2),現に販売するとともに(判示第1の1),性交等をする映像の撮影のため,当時18歳の女性3名を出演者として勧誘したというものであり(判示第2,第4,第5),いずれも,常習的かつ職業的な犯行である。また,被告人は,前記女性のうち1名に対し,撮影中止後に自らの意思でわいせつ行為の撮影に応じた旨の文言を撮影承諾の確認書に記載することを強要しており(判示第3),これも各犯行の一環として行われたものといえる。
2(1)まず,わいせつDVDの販売・所持の点について,被告人は,常習的かつ職業的に行っていたわいせつDVDの販売により経済的利益を得る目的で,日本国内の5か所において,合計約700枚ものわいせつDVDを所持していたのであって,これが販売された場合には我が国の健全な性的秩序を害する程度は大きかったものといえるし,現に,同時に販売された複数のDVDの中の1枚とはいえ,女性器の映像を含むわいせつ映像が記録されたDVDを注文に応じて販売してもいる。
 次に,DVDの出演者を勧誘したという職業安定法違反の点についてみると,被告人は,成人男性向けDVDを制作・販売して利益を得るために女性の出演者を確保することが不可欠であったことから,コスプレモデルの仕事であるかのように装ったウェブサイト等を用いて募集し,女性が応募してくると,撮影のため美容院でヘアセットをさせてその代金を被告人が支払ったり,撮影用のスタジオに連れて行って,個室で二人きりになり,女性に身分証を持たせて写真を撮影したりするなどして,容易に断れない状況を作り出した上,撮影内容を明確に説明しないまま,撮影承諾の確認書に署名させるなどし,DVDの撮影に際し性交等をする意思などなかった女性を勧誘したものであって,その態様は巧妙で悪質である。また,被告人は勧誘した女性を相手に映像を撮影するに際し,上半身裸の姿態を取らせたり,男性器をなめさせたり,1名には性交までさせているのであって,その業務の有害性も高いといわざるを得ない。
 さらに,強要の点については,被告人は,わいせつ行為を撮影中にCが泣き出したことから撮影を中止し,後から無理やりわいせつな行為をさせられたなどと言われることを恐れて犯行に及んだもので,誠に身勝手な犯行である。また,被告人は,Cに顔を近づけて強い口調で帰宅させないなどと脅迫したものであり,Cが当時置かれていた状況に鑑みても,Cの精神的苦痛は相応に大きいものといえる。
(2)ところで,本件で量刑の中心となるのは職業安定法違反の犯行であるところ,同犯行に際して,被告人の行った行為は,年若い女性の思慮の浅さに乗じ,わいせつな行為をするDVDに出演せざるを得ないような状況に追い込んだ上,現にわいせつな行為をさせて撮影するというものであって,卑劣で悪質なものといわざるを得ない。もっとも,職業安定法63条2号違反の犯行は,3名の女性に対する有害業務への勧誘を犯罪事実とするものであるところ,もとより同号の構成要件それ自体は,その意思に反して無理やり労働者を募集することを処罰しようとするものではなく,本件各公訴事実において明示されている犯罪行為も,女性と面接して撮影承諾の確認書に署名させるとか,口頭で説得するといった行為にとどまる。また,強要の犯行についても,前記のとおり,撮影後に書面に文言を記載することを強要したものであり,わいせつDVDに出演することを強要したものではない。そうすると,女性の本意に反してわいせつな行為を行わせて撮影したという点や,そのことにより生じた精神的苦痛等を量刑上過度に重視するとなれば,起訴されていない事実を処罰することにもなりかねないことに留意しなければならない。
(3)以上の犯情に関する事実によれば,本件は,職業安定法違反の罪の中では悪質な部類に属するものではあるが,執行猶予を付す余地もある事案である。
3 そして,その他の情状に関する事実をみると,被告人は,平成24年3月に,18歳未満の児童に対し,性交等をしたり,児童ポルノを製造したりしたとして,懲役3年,5年間執行猶予の有罪判決の宣告を受けているところ,同年10月頃から,18歳未満の児童は勧誘しないようには注意を払いながら,わいせつDVD等の制作・販売及びそのための出演者を勧誘することを再開して,執行猶予期間の満了前に各犯行(判示第1の2を除く。)を行っており,被告人にはこの種事犯に対する親和性が認められ,DVDの制作・販売に助力していた知人から援助を受けるなどして再び同種犯行に及ぶおそれも否定できない。
 しかしながら、他方で,被告人は,Cに対して強要行為の慰謝料名目で20万円を支払っていること,各犯行を一貫して素直に認めており,当公判廷においても,今後は,出演女性の年齢にかかわらずアダルト映像の撮影は二度と行わない旨誓約して,反省の態度を示していることなど,被告人にとって有利に考慮できる事情も認められる。
4 以上によれば,被告人を直ちに実刑に処すには躊躇を覚えるものであり,その懲役刑の全部の執行を猶予して,社会内で更生する最後の機会を与えるのが相当であると判断した。もっとも,前記の犯情の悪質さや再犯のおそれも否定できないことなどから,主刑及び猶予期間は最長とし,その猶予の期間中,保護観察に付することとした。 
(検察官の求刑:懲役3年及び罰金30万円,弁護人の科刑意見:執行猶予付き判決)
平成29年10月25日
大阪地方裁判所第6刑事部
裁判長裁判官 松田道別 裁判官 海瀬弘章 裁判官 馬場梨代

別紙1
番号 場所                    枚数
1  大阪市γ区δ□番□□号e□□□□号室    26
2  東京都渋谷区α□丁目□□番□号cビル□◆  28
3  同区ε×番××号f荘×××号室       619
4  名古屋市ζ区η×丁目×番××号g×××号室 12
5  福岡市θ区κ×丁目×番××号h××××号室 13
合計枚数                     698
別紙2
A i
B j
C k
以上