児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「現役医師らが集団強姦 主犯格は4度の逮捕歴も病院は処分せず」となる理由

 強姦罪親告罪なので、逮捕されても示談すれば起訴されないので、行政処分を逃れているのだと思われます。
 医師法7条2項では4条の欠格事由とは別に「医師としての品位を損するような行為のあつたとき」にも行政処分できることになっていますが、民事訴訟での敗訴による前例はありますが、起訴されなかった刑事事件についてはこれで処分された事例は知りません。厚生労働に調査能力がないからだと思います。

厚生省健康政策局総務課編「医療法・医師法歯科医師法)解」
【解】
一、本条は免許の取消し、業務の停止及び再免許について規定する。医師が第三条の絶対的欠格条件に該当するときは厚生大臣は必ずその免許を取り消さなければならず、また第四条の相対的欠格条件に該当するか、あるいは医師としての品位を損するような行為があったときは、その程度及び持続期間を考慮して、厚生大臣の裁量によって免許を取り消し、又は期間を定めて医業の停止を命ずることができる。
二、「医師としての品位を損するような行為」とは、例えば不当に高額の報酬を要求し、あるいは患者の貧富によって極端に診療内容を異にすることなどをいう。なお、第十九条〔解〕一、参照。
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第十九条〔解〕一
【解】一、第一項は、いわゆる医師の応招義務を規定したものである。法制定に当たっては本条のごとき規定は法律をもって強制すべきものではなく、すべからく医師の自覚にまつべきものであるとの意見もあったが、医師の職務の公共性よりみてその応招義務は特に強調されるべきであるとして法律上の義務として規定された。しかし、従来置かれていたこの違反に対する罰則は削除され、この義務を果たすと否とは一応医師の良心に任せられた。しかし、医師が本条の義務違反を行った場合は、医師法第七条にいう「医師としての品位を損するような行為のあったとき」に当たるから、当該医師が義務違反を反復するような場合には同条の規定により医師免許の取消し又は停止を命ずることもあり得る(昭三O、八、一二、医収第七五五号、医務課長回答)。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz-att/2r98520000024nvn.pdf
平成24年3月4日改正
医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について
7)猥せつ行為(強制猥せつ、売春防止法違反、児童福祉法違反、青少年育成条例違反等)
国民の健康な生活を確保する任務を負う医師、歯科医師は、倫理上も相応なものが求められるものであり、猥せつ行為は、医師、歯科医師としての社会的信用を失墜させる行為であり、また、人権を軽んじ他人の身体を軽視した行為である。行政処分の程度は、基本的には司法処分の量刑などを参考に決定するが、特に、診療の機会に医師、歯科医師としての立場を利用した猥せつ行為などは、国民の信頼を裏切る悪質な行為であり、重い処分とする。

医師法
第七条
1  医師が、第三条に該当するときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消す。
2  医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一  戒告
二  三年以内の医業の停止
三  免許の取消し

第四条  次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一  心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三  罰金以上の刑に処せられた者
四  前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

http://news.livedoor.com/article/detail/12687529/
 事件を首謀した容疑者は、過去に4回も準強姦容疑での逮捕歴があった。その手口はいずれも自分の部屋で合コンなどの名目で飲み会を開き、参加した女性に酒を飲ませて暴行していた。昨年7月は泥酔状態の20代女性に性的暴行を加えたとして準強姦容疑で逮捕(処分保留)。その後、9月にも別の20代女性を強姦した疑いで再逮捕されていた。
 驚くのは短期間に何度も逮捕されているのに、病院側が何の処分もしていなかったことだ。
 ある現役医師は「昔からレイプが発覚して病院をクビになる医師はいるが、数年たつとみな別のところに移って何事もなかったかのように勤務していますよ」と明かす。
 容疑者は過去の事件では不起訴処分になっているとみられるが、医師免許さえあればお構いなしとはあきれる。どうやらロクに“身体検査”をしない病院が少なくないようだ。
 容疑者が過去に逮捕された時には、女性を乱暴する動画が収められたケータイも押収されている。千葉大のレイプ事件でも被害女性を撮影し、仲間内でLINEで共有するという鬼畜行為に及んでいた。
 こんな性犯罪者を野放しにして患者を診察させていた病院の罪は重い。