児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「「わいせつ」の行為とは、被害者の「性的自由」を侵害するにたりる行為としてとらえられなければならない」内田各論第三版

 内田の各論には「わいせつ行為」の独自の定義があるんだが、
 青少年条例の「わいせつ行為」の定義はどうすればいいかなあ。  
   青少年の「健全育成」を侵害するにたりる性的行為
か? 広すぎないか

内田各論p155
第五節 強制猥褻罪・強姦罪
一 総説 強制猥褻罪、強姦罪、準強制猥褻罪、準強姦罪は、公然猥褻罪・猥褻文書等頒布罪などとともに社会の性秩序に対する罪として一括規定されているが、すくなくとも前二者は、後二者などと違って、個人の「性的自由」を侵害する犯罪としてとらえられるべき性質のものである。昭和四九年改正刑法草案も、両者を区別する態度にでている。
注2刑法草案は、「風俗を害する罪」として、その二四五条以下に公然わいせつ・猥褻文書等頒布・性交勧誘を規定し・別個に「姦淫の罪」として、そのニ九六条以下に強盗・強制猥褻・被保護者姦淫を規定した・しかして、「姦淫の罪」は、「略取及び誘拐の罪」と「脅迫の罪」の聞に挿入されたのである.

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ここに「わいせつ」の行為とは、被害者の「性的自由」を侵害するにたりる行為としてとらえられなければならない。一般的にいえば、被害者の承諾なしに性器・性感帯に接触し、あるいは着衣をはぎとって性器を露出させるなどの「性的行為」を指称することになろう。したがって、「徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的基恥心を害し善良な性的道義観念に反する」行為というだけでは、後にも検討するように、公然猥褻罪などの「猥褻」概念として広すぎるばかりでなしに、強制狼製罪の「狼襲」概念としては不適当であるといわざるをえない。