児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

虐待児被害証言DVDを証拠採用 尋問回避で司法が取り組み

 伝聞証拠が許容されますかね。
 奥村の事件は犯行動画があるので問題になりませんが
 弁護士会はどう対応してるのかな。

虐待児被害証言DVDを証拠採用 尋問回避で司法が取り組み
2016.12.17 共同通信 主要/社会 (全839字) 
 旭川や高松、徳島、那覇の各地裁で昨年までに開かれた子どもに対する虐待や強制わいせつ事件の公判で、検察側が被害者の証言を録音録画したDVDを証拠として提出し、裁判所が採用するケースがあったことが17日、関係者への取材で分かった。法廷での被害者への証人尋問が回避された。つらい体験を何度も聞かれることで子どもが感じる心理的負担の軽減を目指す司法の取り組みとして注目される。

 欧米では司法、福祉の関係者が連携し、代表者が原則1回だけ聴き取りをする「司法面接」制度を導入。録音録画した内容が捜査上証拠として扱われ、法廷でも証言の代わりに使われる。日本の検察にも同様の手法を研究する動きが出ている。

 関係者によると、被害者の証言を収めたDVDが証拠採用されたのは、旭川、高松、徳島、那覇の4地裁で開かれた強制わいせつ事件や傷害事件の4公判と、高松地裁丸亀支部であった傷害事件の2公判。判決は2014〜15年にそれぞれ言い渡され、いずれも被告の有罪が確定している。

 各事件の被害者は事件当時7〜14歳で、検察側が被害立証のため、被害者の証言を収録したDVDを証拠として提出。弁護側も同意し、証人尋問は行われなかった。

 高松、徳島両地裁と高松地裁丸亀支部の公判ではDVDを再生せずに検察官が概要を読み上げ、旭川、那覇両地裁では一部を再生。旭川地裁では、裁判官や検察官、弁護人がモニターを見ながらイヤホンで音声を聞き、被告にはモニターを見せずに音声だけを聞かせるよう配慮したという。

 一橋大の緑大輔准教授(刑事訴訟法)は一連の動きを「子どもの負担軽減につながる」と評価する一方、「冤罪を生まないためには調べ段階での誘導のない質問技術が必要となるが、検察官は有罪立証が念頭にあり誘導的になる危険性が排除できない」と指摘。「弁護側が争う事件でも裁判所の判断で証言DVDが証拠採用されるケースはあり得るが、弁護側が証人尋問できない場合に(手続き上の)公正さをどう担保するかが課題となる」としている。