児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

小学生に自慰行為などわいせつな行為を見せつける行為の擬律

 千葉県の条例は見せる行為については、「風俗営業法第2条第6項第1から3号まで又は第7項第1号に規定する営業に関し青少年を客に接する業務に従事させる目的で、」という要件があるんですが、小学生にそういう目的で見せる奴がいるのか、「見せる行為」を「わいせつ行為」として検挙したんじゃないのかという疑問はさておき、一般論としては、多くの青少年条例に見られる規定ですがわいせつ行為を見せる行為が禁止されています。
 何のためにそんなことをするのかと言えば性欲を満たすためなので、自慰行為を見せつける行為自体が、わいせつ行為と評価される可能性があります。
 わいせつ行為とわいせつな行為を見せる行為は法定刑が違う場合があるので、その区別は厳密になされる必要がありますが、区別できないと思われます。
 警察は手堅く青少年条例で来るわけですが、そのまま強制わいせつ罪(176条後段)にも発展する可能性があるのに、被疑者国選弁護人が付かないという危なっかしい状況にあります。
 当番弁護士を呼びましょう。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/131125/chb13112518390005-n1.htm
逮捕容疑は9月、自宅で、県内に住む小学生の女児2人が18歳未満と知りながら、自慰行為などわいせつな行為を見せつけたとしたとしている。

千葉県青少年健全育成条例の解説h17
定 義(第6条)
(定義)
第6条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 小学校就学の始期から18歳に達するまでの者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。

【解説】
 本条は,条例中で用いられる主な用語の定義を定めたものである。
1 第1号関係(青少年)
 (1) 本条例で青少年を小学校就学の始期から18歳に達するまでの者としたのは、この年齢に達するまでの青少年は、年齢的に社会的経験が浅く、心理的にも動揺しやすい時期にあるためと、さらに児童福祉法の基準によったものである。
   一般的に、18歳以上の者は、社会的にも経済的にも、また、判断能力においても自立性があると考えられるため対象から除いたものであり、更に小学校就学前の者を除いたのは、6歳未満の者は、不良環境の影響を受けることが比較的と少ないと思われるからである。
なお、各種法令による青少年の呼称及び年齢区分は、次表のとおりである。
・・・・・・
みだらな性行為等の禁止(第20条)
(みだらな性行為等の禁止)
第20条 
1何人も、青少年に対し、威迫し、欺き、又は困惑させる等青少年の心身の未成熟に乗じた不当な手段によるほか単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められない性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、風俗営業法第2条第6項第1から3号まで又は第7項第1号に規定する営業に関し青少年を客に接する業務に従事させる目的で、青少年に性行為又はわいせつな行為を教え、又は見せてはならない。
    追加〔昭和60年条例第36号〕、一部改正〔平成6年条例第8号〕、
全部改正〔平成17年条例第22号〕

【解説】
 本条は、性行為やわいせつな行為が未成熟な青少年に与える痛手・影響の大きさを考えて、このような行為から青少年を保護するために、動機及び手段において社会通念上非難を受けるべき性質の性行為やわいせつな行為に限定して禁止するものであり、青少年の性をもてあそぶ心ない成人から青少年を保護するために設けたものであるが、平成11年11月1日に児童買春法が施行され、対償を供与又は供与の約束を伴う買春が禁止されたことにより、同法との整合性を図るため本条の改正が求められていた。
 このことから、同法の対象とならない対償の供与等を伴わない不当な手段(威迫し、欺き、又は困惑など)によって単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない性行為又はわいせつな行為については、同法を補完し、本条例で規制するようにした。

2 第2項
(1) 教えとは、青少年にみだらな性行為又はわいせつな行為を相当程度具体的に教示することであり、単に一般的な卑わい談話をすることは該当しない。
(2) 見せるとは、みだらな性行為又はわいせつな行為を具体的に、直接的に青少年に見せることをいう。
本項は、青少年が個室付浴場業、個室型ファションヘルス、ストリップ劇場等又は派遣型ファションヘルスにおいて、客に接する業務に従事させる目的で、青少年に行為を具体的に教えたり、又は見せたりする行為等を禁じたものである。
 (3) 客に接する業務とは、本条第19条の3第2号の解説と同じ意味である。
罰 則 違反した者は、1年以下の懲役又は 50万円以下の罰金に処せられる。(第28条第2項)