児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

刑を重くするべきだ(沖縄タイムス)

 児童に対する性的虐待なのに、法定刑に罰金刑があるのがおかしいですよね。懲役刑だけにすると、裁判所が満員になるので、罰金刑で迅速処理しています。

[少女よ 売買春事件から考える](18)/インタビュー/上間陽子さん・琉球大学教育学部准教授/友達づくり仕掛けて/男性への性教育が必要
2013.10.01 沖縄タイムス
 −少女たちに必要なことは。

 「売春に巻き込まれたとき、電話をかける相手がいるかいないかの差は大きい。友達が大切。大変な時に最初につながるのは大人ではない。友達がいる子はつらい体験をすると話し、友達が危機のときには一緒に考える。そこから大人につながる。同世代のネットワークからこぼれる子どもたちを何とかしなければならない。周りが友達づくりを仕掛けていくべきだ」

 「売春、レイプ、性問題などに遭った人の話を一人で抱えるのは大人でもすごく難しい。相談者を支えるネットワークも必要。聞いた人が誰かに相談できればその人もぼろぼろにならず、何とか続けられる。聞く人に対する敬意と支援も必要。なければ聞けない。被害者の話を聞ける人は限られている。だからこそ聞く人を支える仕組み作りが問われている」

 −売春に巻き込まれた少女を救い、支えるには?

 「一番難しいのは、彼女たちに言葉を作ること。売春は、性交する、しゃべらない、金をもらって帰る、言葉を育むことができない仕事。風俗業界でも最も言葉が奪われている。救うのは本当に大変だ。語彙(ごい)や会話力を徐々に獲得し大人になるが、少女らは段階を踏まず成長してしまう。その体験を聞き取る人が現れれば、必ず回復する」

 −18歳未満に対する売買春罪で裁かれたとき、刑が軽い。

 「未熟な子を性の世界につれ込み体で稼がせ言葉を与えないことを続けると、論理は通じなくなり社会の存続が難しくなる。刑を重くするべきだ。大人だから責任をとってもらうのが原則だ」

 −買春を防ぐには。

 「男性への性教育が絶対に必要。自分の体も相手の体も大事であり、扱いは互いに注意するという性教育を学校でもすべきだ。特に、仲間の力を使う。大人の言うことは聞かないが、友達の言葉なら残ることがある」

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