児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

自称「婚姻(離婚)した児童」との買春行為について不起訴となった事例

 条例を紹介して要保護性に欠けるとか主張しました。
 法律上は「児童」なんですが、経済的主体として一人前ということなんでしょうかね。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
第2条(定義)
この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう

 青少年条例では、婚姻してしまうと、青少年ではなくなるというのが多いようです。

神奈川県青少年保護育成条例の解説H21
( 定義)
第4条この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)青少年
小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
〔解説〕
1 第1号関係
(1)この条例で青少年を「小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者」としたのは、この年齢の者は社会的経験も浅く、精神的にも動揺しやすい時期にあり、非行等に陥りやすいなどが考慮されて定められたものである。就学前の幼児は、悪い社会環境の影響を受けることが比較的少なく、保護者の注意で十分保護し得るし、18歳以上の者は、社会的にも経済的にも、また、判断能力においても自主性があるものとして対象から除外されたものである。
なお、18歳未満で婚姻した女子(未成年の女子は、満16歳に達すると保護者の承諾を得て婚姻することができる。)の本条例の適用にあたっては、成人として取り扱われる。ただし、この場合法律婚によって婚姻生活を営む者のみが該当し、事実上の婚姻関係(内縁関係)にあたるものは含まないものである。

埼玉県青少年健全育成条例の解説(平成18年3月)
(2) 未成年者が婚姻したときは成年に還したものとみなされる(民法第753条〉ので、婚姻した青少年については、18歳未満であっても本条例の対象外とされているのである。
未成年者の婚姻は、女子は16歳以上、男子は18歳以上とされている(同法第731条〕ので、具体的にはこの適用除外については、女子の場合のみ該当することになる。なお、その後18歳に達するまでの間に離婚しても、この条例でいう青少年には含まれないものとする。

北海道青少年健全育成条例の解説
【解説】
l 第1号関係
(1) 本条例で青少年を「学齢の始期から満18歳に達するまでの者」としたのは、学齢の始期以前の者は、社会環境による影響が極めて少ないと思われるため除外したものであり、学齢の始期から満18歳に達するまでの者は、社会的経験が浅く、精神的にも極めて動揺しやすい年齢であることを考慮、して、本条例でいう青少年の範囲としたものである。
(2) 「学齢の始期」とは、満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めをいう。
(3) 「婚姻により成年に達したものとみなされる者」とは、法律婚(民法第731条、第737条、第739条)をした未成年者06歳以上18歳未満の女子:民法第753条)をいう。
未成年でも婚姻をしたときは、私法上はこれによって成年に達した者とみなされ、成年擬制の効果は、離婚によってもくつがえられない

奈良県青少年の健全育成に関する条例の解説s58
「婚姻により成年に達したものとみなされた者」とは、十六歳以上の女子で、父母の同意を得て婚姻し、民法第七百五十三条に基づき成年に達したものとみなされた者をいう。
なお、十八歳未満で婚姻したことにより成年に達したものとみなされた者については、その後十八歳に達するまでの間に離婚することがあっても、一旦成年に達したものとみなされた以上、本条の青少年には含まれないものである。
婚姻により成年に達したものとみなされた者を「青少年」から除外した理由は、婚姻をした以上、社会生活において一人前の者として取扱うのが至当であるからである

沖縄県青少年保護育成条例逐条解説書h18 
(3) 婚姻した女子を青少年から除外したのは、女子は満16 歳に達すれば父母の同意を得て婚姻することができ、婚姻により民法上の行為能力が与えられることと、当該女子の社会的、精神的条件を考慮して定めた基準である。なお、その後18 歳に達するまでの間に離婚しでも、この条例でいう青少年には含まれないものとする。

埼玉県青少年健全育成条例の解説
(2)未成年者が婚姻したときは成年に達しだものとみなされる〈民法第753条〉ので、婚姻した青少年については、18歳未満であっても本条例の対象外とされているのである。
未成年省の婚姻は、女子は16歳以上、男子は18歳以上とされている(同法第731条〉ので、具体的にはこの適用除外については、女子の揚合のみ該当することになる。なお、その後18歳に達するまでの聞に離婚しても、この条例でいう青少年には含まれないものとする。

岩手県青少年のための環境浄化に関する条例 解説H19 
(3) 「婚姻により成年に達したものとみなされる者」とは、16歳以上の女子で、父母の同意を得て婚姻し、民法第753条に基づき成年に達したものとみなされる者をいう。
なお、18歳未満で婚姻したことにより成人に達したものとみなされた者については、その後18歳に達するまでの聞に離婚した場合には、この条例でいう青少年には含まれないものである。
婚姻により成人に達したものとみなされる者を「青少年」から除外した理由は、18歳未満の者であっても婚姻をした者は、民法上成人と同じ能力を有するとみなされること等を考慮したものである

鳥取県青少年健全育成条例の解説s56
なお、十八歳未満で婚姻したことにより成年に達したものとみなされた者については、その後十八歳に達するまでの間に離婚することがあっても、いったん成年に達したものとみなされた以上、本条の青少年には含まれないものである。
婚姻により成人に達したものとみなされた者を「青少年」から除外した理出は、婚姻をした以上、社会生活において一人前の者として取り扱うのが至当であるからである

 なお、茨城県等では、離婚すると青少年に戻ります。

茨城県青少年の健全育成等に関する条例の解説h22
「配偶者のある女子を除く」一女子は,民法により16 歳に達すれば婚姻することができ,これによって成年に達したものとみなされる趣旨から,現に配偶者のある女子は,この条例で定義する「青少年」から除外される。なお,一度は婚姻しても離婚した女子は,民法上は引き続き成年とみなされるが,現に配偶者がいないことから,この条例で定義する「青少年」に該当する。

秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例の解説(S53年11月)
〔解説〕
ー第一号の青少年を、「六歳以上十八歳未満の者」と規定したのは、六歳未満の者は、有害環境の影響を受けることが比較的少なく 保護者の注意で十分監護しうると思われ、最高を十八歳未満としたのは、児童福祉法風俗営業等取締法、労働基準法を考慮して定めた基準であって、この年令以上になれば精神的にも肉体的にも安定性が増し、成人に準じてその自主的判断に委せた方がよいことを考慮にいれたものである。
ただし、高等学校在学中に十八歳に達する者がいるが、この場合においては、在学中であることを考慮し他の生徒と同様に育成されることが望ましいことはいうまでもない。
文、民法第七百五十六条で定める「婚姻により成人に達したものとみなされる者」を除外していないのは、児童福祉法風俗営業等取締法、労働基準法未成年者喫煙禁止法未成年者飲酒禁止法等も、青少年を保護する趣旨の規定において婚姻をしている女子を除外していないことと、民法の規定は、婚姻した未成年者の利益を図るために私法上成年者と同じ能力を与えるという趣旨に過ぎず、十六歳及び十七歳の女子で婚姻している者も、身体的、精神的にはまだ成熟に達しているとはいえないことなどから、この条例で保護することが必要である点を考慮したものである。

 他府県の離婚した17歳が茨城県で淫行されると、青少年条例違反になるんでしょうか。
 茨城県の離婚した17歳が他府県で淫行されると、青少年条例違反にはならないということでしょうか。