児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

通貨偽造の裁判員裁判

 確かに法定刑の上限は高いのですが、

刑法第148条(通貨偽造及び行使等) 
1行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

図表70
http://www.saibanin.courts.go.jp/topics/pdf/09_12_05-10jissi_jyoukyou/h21_siryo3.pdf
によれば、
 通貨偽造の量刑のピークは「懲役3年執行猶予保護観察なし」です。下限に張り付いています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120608-00000278-mailo-l46
通貨偽造:元学生に刑猶予−−地裁判決 /鹿児島
毎日新聞 6月8日(金)15時45分配信
 1万円札を偽造したとして通貨偽造罪に問われた北九州市の元専門学校生、の裁判員裁判の論告求刑と判決が7日、鹿児島地裁であり、中牟田博章裁判長は懲役3年、執行猶予4年(求刑・懲役3年)を言い渡した。
 判決によると、被告は昨年3月、鹿児島市上福元町の当時の自宅で、カラーコピー機で1万円札を複写し7枚を偽造した。
 検察側は「遊ぶ金欲しさに犯行に及んだ」と指摘したが、中牟田裁判長は「被告が偽造した通貨は巧妙なものとはいえず、流通する恐れは小さい。反省し、まじめに働いている」と述べた。
 検察によると、被告は昨年3月、鹿児島市内の2カ所のコンビニで偽札を使おうとしたが、店員に偽札と見抜かれるなどで使用できなかった。

 こんなんを量刑相場通りに裁くために、裁判員の皆様を集める必要はないと思います。