援助交際・児童買春でよく出てきます。
合議体で審理され、通貨偽造罪の量刑になることを注意してください。
東京高裁H18.2.14
○裁判要旨
紙幣を偽造したというには,通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の紙幣と誤認する程度の外観を備えたものを作出することをもって足りる。
関係証拠によれば,本件紙片は,いずれも,コピー用紙様の紙の片面には印刷がなく白紙であるものの,反対側の片面に,千円札の表面の文字や絵と,裏面の文字や絵の裏返しのものが併せて印刷されており,文字や絵の形状や色合いが真正の紙幣と酷似していること,そして,明かりの具合等によっては,表側が透けて見えているものと誤認する可能性があるものであること,真正の紙幣とほぼ同様の大きさに裁断されていることが認められる。そうすると,本件紙片は,印刷された片面のみを呈示するなど,用い方によっては,通常人が不用意に一見した場合に真正の紙幣と誤認させる程度の外観を備えているといえるから,本件紙片を作出したことをもって紙幣を偽造したということができる。
執行猶予がつきにくい法定刑となっています。
第148条(通貨偽造及び行使等)
行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。
児童買春罪はいけないことですが、払うつもりがないのに対償供与すると約束した場合も準強姦罪ではなく児童買春罪だというので(名古屋高裁金沢支部)、その方が法定刑は軽くなります。同じ騙すのでも、小道具を作ると重くなります。
奥村としては、偽札とか欺罔がある場合は、強姦罪であって、児童買春罪は適用されないと考えています(奥村説2007年2月5日)。