児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

佐藤のりゆきのトークで北海道(午前9:55〜11:20生放送中)の時刻表示が決め手になった事件(札幌高裁H21.10.22)

 原審弁護人がテレビ局の記録で立証しているようです。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20091110093028.pdf
(1)被害にあったという時刻について
本件女性は,本件被害にあった時刻が午前11時ころであるといい,その根拠として,「テレビの左上のほうに小さく時計が出ているが,ちょっと前くらいに見たときは10時56分だ
ったので,それからそんなにたってないと思うので,11時ごろかなと思う。」,「「とくダネ!」という番組がちょうど終わって,その後の「佐藤のりゆきトークで北海道」という番組が入っていたので,その時間帯だと思う。」旨供述する。
しかしながら,「書類送付の件」と題する書面(原審弁15号証)及び新聞番組欄写し(原審弁17号証)によれば,「とくダネ!」の放送は午前9時55分までであり,「のりゆきのトークで北海道」が午前9時55分に開始されたこと,両番組を放送する北海道文化放送では,テレビ画面上の時刻表示は午前9時54分00秒までであったことが認められ,本件女性は,見ることのできなかったはずの午前10時56分という時刻表示を見たと供述し,また,「とくダネ!」が終わり「のりゆきのトークで北海道」が開始されて間もなくの時間であれば午前10時ころであるはずなのに,それを午前11時ころであると供述していることになり,不自然というほかなく,むしろ,時刻表示が存在していた時間からそんなに経っていない時刻で,かつ,番組が切り替わって間もなくであるという本件女性供述を前提とすると,午前10時ころと考える方が自然といえる。
なお,検察官は,本件女性供述で上記のとおり「ちょうど」と表現されたからといって,被害にあった時刻を「とくダネ!」の終了直後であるとしたものとは受け取りがたいというのであるが,上記の供述内容は,「とくダネ!」が終わり「のりゆきのトークで北海道」が開始されて間もなくの時間を意味していると解するのが素直であって,検察官の立論には無理があるというほかなく,採用することができない。