児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

所持の故意と性的好奇心を満たす目的の立証方法

 与党議員は、補強法則(319条2項)をよく知らないので、主観的要素にも補強証拠がいると思ってるようです。
 主観的要素については、補強証拠がないのが普通なので、補強は要らない=自白だけでいいというのが通説です。
 そりゃ、「性的好奇心を満たす目的で所持していますフォルダ(本棚)」に保管されているとか自白以外の客観証拠があればいいですけど、なければ、自白だけでいいということです。

○富田議員 今、丸谷委員がおっしゃるとおりだと思います。
 枝野先生の御答弁を聞いていますと、所持の故意と性的好奇心を満たす目的というところが、あたかもすべて内心の問題であって、それが自白として強要されるんだというような御答弁に、ちょっと後ろで聞いていると思えるんですが、所持をしているという故意も、その目的も、それぞれさまざまな客観的状況から認定されるものであって、すべて内心で決まるわけではありません。
 これまでのいろいろな刑法犯、またそれぞれの司法の過程においても、客観的な事情から認定される内心の問題だと思いますので、今、枝野先生の答弁を聞いていますと、やはり可罰性のある所持というのもあるといいながら、冤罪を生む可能性があるからそれは防がなきゃいけないんだ、その防がなきゃいけないというのはわかるんですが、可罰性がある所持を認めておいて、その所持が違法でないというのは、ちょっと我々与党からしたら理解に苦しむなというふうに思います。

条解刑事訴訟法第3版増補版p674
故意・過失を含む犯罪の主観的側面および被告人と犯罪どの結びつきについて補強証拠を必要としないとする点では,通説と判例が一致している。

刑訴法
第319条〔自白の証拠能力・証明力〕
②被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。