児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ「単純所持」、処罰対象を限定 民主が案

 与党の単純所持と処罰範囲は変わりません
 3号ポルノは廃止だそうですよ。

http://www.asahi.com/politics/update/0522/TKY200805210324.html
民主党児童ポルノの定義見直しなどを柱とする児童買春・児童ポルノ禁止法改正案の骨格をまとめた。個人で収集する「単純所持」にも罰則を設けるが、対象は「みだりに収集、または有償で取得した場合」に限定。今国会への提出をめざす。
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与党案は単純所持を一律に禁止したうえで「性的好奇心を満たす目的で所持した場合」に懲役1年以下または罰金100万円以下を科す方向。民主党は「恣意(しい)的な捜査や自白の強要につながりかねない」として、処罰対象を具体的な行為に絞った。両案の隔たりは大きく、ともに今国会成立は困難な情勢だ。

 民主党案では、児童ポルノの定義も見直す。「他人が児童の性器などを触る行為または児童が他人の性器などを触る行為に係る児童の姿態」との現行規定を「性器などをことさらに強調するなどして示す」ものに改め、「衣服の全部または一部を着けない児童の姿態」という規定をあいまいだとして削除する。

 現行法との連続を考慮すると、どっちの案もどっちつかずの規定になると思いますが、民主党の方がまだましかな。
 児童ポルノ提供とか陳列の場合には被害児童の権利侵害を重視しないような条文にしておいて(包括一罪的な規定である点、あたかも人ではなく物に関する罪によめる点。これを裁判所の責任にするのも気の毒)、単純所持罪の必要性に限って、「性的虐待だ!」というのは矛盾ですよね。
 製造も虐待だし、流通も虐待だというのが法律の趣旨なら、提供や陳列も虐待行為として、流通に関わる製造から末端までの行為を厳しく罰すればいいわけです。虐待行為に表現の自由はないので、気にならない。
 社会的風潮とかいう社会的法益については、刑法や有害図書として、規制していけばいいですよね。表現の自由と対立しながら。