児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「生徒も金銭を得る目的で積極的に援助交際に応じていた」という量刑理由(函館地裁h20.1.10)

 この量刑理由は立法趣旨からすると失当なんですが、裁判所はそこまで知らないらしく時々見かけますので、弁護人は必ず指摘しなければならないですね。
 2罪で、処断刑期7年6月で、宣告刑は懲役1年(執行猶予)。
 高知地裁なんて1罪で懲役1年(執行猶予)。

児童買春の男に有罪
2008.01.10 共同通信 (全283字) 
 携帯電話の出会い系サイトで知り合った中学三年の女子生徒(15)にいかがわしい行為をしたとして児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた被告(30)に対し、函館地裁は十日、懲役一年、執行猶予三年(求刑懲役一年)の判決を言い渡した。
 柴山智(しばやま・さとし)裁判官は「常習性があり、犯情は悪質だ」とした一方で「生徒も金銭を得る目的で積極的に援助交際に応じていた」と述べた。
 判決によると、被告は二〇〇六年九月と昨年四月の二回、函館市などのホテルで女子生徒が十八歳未満と知りながら現金を渡す約束でいかがわしい行為をした。

 児童買春罪と3項製造罪(姿態とらせて製造)は観念的競合であるとする函館地裁・札幌高裁に従えば、継続的な児童買春の際に、毎回撮影(時々pcにダビング)すると、3項製造罪が包括一罪になるので、何回児童買春しても科刑上一罪になります。
 東京高裁では、そんな都合のいい罪数処理は許さないと言われましたが、北海道はおおらかなようです。