別個の罪なんですけど、実務ではある点を境目にして容疑が切り替えられているようです。
ということで迷惑条例違反についても、被害弁償(示談)交渉をします。
こういう条例は、どこの地方にもあるので、国法に取り込んでもいいと思います。新幹線や飛行機なら、何県条例かわからないから。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070219-00000067-kyt-l25
草津市のJR東海道線南草津駅−草津駅間の電車内で、大津市内の女子高生(16)のスカート内に手を入れ、体を触った疑い。
同署によると、容疑者は草津駅で降車後もつきまとい、女子高生が「痴漢です」と声を上げたため、逃走した。改札口で滋賀県警鉄道警察隊員が県迷惑行為等防止条例違反容疑の現行犯で取り押さえた。その後、車内での行為が判明し、容疑を切り替えた。
合田悦三「いわゆる迷惑防止条例について」(『小林充・佐藤文哉先生 古稀祝賀刑事裁判論集 上巻』)
念のために痴漢行為や盗撮行為に適用される規定である「卑わい行為の禁止」規定の保護法益に絞って更に述べておけば、文末の一覧表にあるとおり、「ひわい行為の禁止」規定はすべての都道府県条例にあるが、それらはいずれも卑わい行為が禁止される場所を、「公共の場所」又は 「公共の乗物」 に限定している。 この規定が個人法益を寸ろうとしているのであれば、禁止の場所をこのように限定するのはあまりに不徹底で不合理である。このことは、いわゆる性犯罪のうち、個人法益に関する罪であることに異論がないと思われる強姦罪や強制わいせつ罪において成立の場所的限定がないことを指摘するだけで明らかであろう。迷惑防止条例における「卑わい行為の禁止」規定が公共の場所や乗物においてのみ適用されるのは、公共の場所や乗物で卑わい行為が横行しているようでは、「県民生活の平穏」 が保持できない危険があるからであって、逆に言えば、その範囲で卑わい行為を禁止しておけば、一般的、包括的、概括的な意味での、公衆レベルでの 「県民生活の平穏」が寓される危険がないという理由に基くのである。それ故、迷惑防止条例の 「卑わい行為の禁止」規定の保諸法益も社会法益の類型に属するものと言うべきである。