児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

業務上失火

 「火ヲ失シテ」の世代です。カラオケは嫌いです。

第117条の2(業務上失火等)
第百十六条又は前条第一項の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるとき、又は重大な過失によるときは、三年以下の禁錮又は百五十万円以下の罰金に処する。

 昔、カラオケ店でアルバイトが唐揚げ調理していて火災になったという死亡火災の業過死と失火の弁護人をやった事(禁固刑・執行猶予)がありますが、弁護人は火災と死亡との因果関係(気道熱傷など)の立証で司法解剖記録を見ることになります。被告人にも確認してもらいましたが、さすがにショックの様子でしたね。

いろいろ報道されていますが、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070122-00000008-san-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070121-00000304-yom-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070122-00000015-mai-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070121-00000013-mai-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070121-00000022-jij-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070121-00000000-san-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070121-00000017-jij-soci
過失を、
①天ぷら鍋の管理
②初期消火の失敗
③防火設備不備(延焼)
④その他
のどこに求めるか(どこに重点を置くか)によって、バイト・店長・経営者の責任配分(責任の有無・量刑のバランス)が変わってきます。
 そんなの、捜査が終結しないと分からないわけです。
 捜査機関としては、拘束すると期限を切られるので、早々に重い過失を認める供述を取ろうとするでしょう。
 虚偽自白ではないですけど、逮捕当初に不用意な供述をして、後々責任が重くなる(不本意な量刑)ということがありますので、慎重に供述してほしいものです。

 こういう複合的な過失の場合、弁護人は、末端の店員・バイトが責任を感じて「私の過失です」なんて供述している場合でも、どこが過失なのか、それが結果との因果関係があるのか、どの程度の必然性なのか、どの程度の責任なのかを裁判所に判断させる必要があります。