児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

量刑研究は格調が低い?

 弁護人ですから、格調が高いといわれようが低いといわれようが、調べさせてもらいます。

原田國男「量刑理論と量刑実務」(『小林充・佐藤文哉先生 古稀祝賀刑事裁判論集 上巻P279』)
2 次に、指摘したいのは、量刑理論が刑法理論全体の中では今日に至っても周辺的にしか採り上げられていないという点である。
佐伯千切博士が当為としての量刑基準の研究の必要性を強調され、「しかるに刑法学の現状は、この問題をむしろ回避し、真剣にそれと取組もうとしていないようであって、その犯罪論の一応の華やかさに較べて、刑罰論、特に量刑論は全く貧弱だといわぎるを得ない。」と指摘する。
(中略)
同先生が、「今、コンピューターを駆使して量刑の基準を作る研究をしている。」 と吐露したところ、それを聞いた仲間達は、「こんな格調の低い研究は止めろ。○大教授たるものが、一生を掛けるテーマか」 とゴーゴーの非難となったというのである。

 しかし、被告人質問のやりとりで決まるところもあるので、学者が判例雑誌の判決書だけ見ていても、量刑はわからないと思いますけど。