http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051012-00000307-yom-soci
通貨偽造も重い、児童買春も重いですね。
通貨偽造については、流通した量と程度と実害、児童買春については、人数・年齢・被害感情・欺罔などの犯行態様が考慮されていると思います。
情状としては、凹んだ利益を埋めて修復していくしかない。
被害児童からすれば、ひとえに金をもらえるから見知らぬオッサンとの性交等に応じることにしたわけで、偽札を用意されて最初から騙されているのに、どうして強姦罪にならないのかを考えています。法益関係的錯誤とかいうんでしょうけど。
弁護人じゃないから言わせてもらいますが、犯人から見ても、完全に騙して性交等に応じさせているのだから、準強姦罪でも納得するんじゃないかと。
裁判所には
「大和撫子」は金だけに目がくらんで体を売ることはないんだ。
深層においてやっぱり真摯な承諾があるんだ
という、期待感に似た伝統的青少年観・児童観があるんじゃないかと思います。
児童買春罪は立件されていないのですが、実刑の裁判例があります。
新潟地方裁判所平成15年9月16日
被告人を懲役1年8月に処する。
未決勾留日数中60日をその刑に算入する。
押収してある偽造1万円札8枚(平成15年押第37号の1,2)をいずれも没収する。
理 由
(罪となるべき事実)
被告人は,勤務先会社のパーソナルコンピューター(以下,「パソコン」という。)を使用して出会い系サイトにアクセスして知り合ったAにいわゆる援助交際の対償等として支払う金銭に困り,同女に上記対償として渡す金銭に使用すべく,金額1万円の日本銀行券を偽造することを決意し,平成14年6月13日ころ,新潟県a市b所在の勤務先会社のB株式会社1階事務所において,行使の目的をもって,ほしいままに,あらかじめ同社のスキャナー機能を搭載したカラーコピー機及びパソコンを使用し,真正な金額1万円の日本銀行券の表面及び裏面の画像を画像情報として取り込み,その大きさや色調を修正するなどして同パソコンのハードディスク内に保存しておいた真正の1万円の日本銀行券の表裏面の画像情報を同パソコンで読み込み,同カラーコピー機を用いてA4判コピー用紙に両面印刷し,これをカッターナイフで裁断するなどして通用する金額1万円の日本銀行券18枚(平成15年押第37号の1,2はその一部)を偽造した上,同月15日午後3時10分ころ,新潟市c所在のC店前路上に駐車中の普通乗用自動車内において,Aに対し,上記偽造にかかる金額1万円の日本銀行券3枚(同号の1)を真正なもののように装い,援助交際の対償として封筒に入れて手渡して行使したものである。