児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

弁護士会が定めていた報酬規程が廃止されています。

http://www.nichibenren.or.jp/jp/nichibenren/hou/data/housyu.pdf
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/syuppan/sokuhou/2004/49.html
 当事務所でも鋭意作成中です。

報酬に関する規程Q&A
臨時総会の第2号議案「弁護士の報酬に関する規程制定の件」及び第3号議案「外国法事務弁護士の報酬に関する規程制定の件」について理解していただくために、Q&Aをお届けします。

Q1■ これまでの「報酬等基準規程」と「外国法事務弁護士の報酬に関する規程」を廃止して「弁護士の報酬に関する規程」と「外国法事務弁護士の報酬に関する規程」を制定するのはどうしてですか。
A1■ 昨年7月、第156回国会で弁護士法が一部改正され、弁護士法33条と46条から「弁護士の報酬に関する標準を示す規定」が削除されました。これを受けて、昨年11月12日開催の日弁連臨時総会で「報酬等基準規程」等を廃止することを決定しました(いずれも、施行は2004年4月1日)。今回「弁護士の報酬に関する規程」等を制定するのは、日弁連が2002年3月に策定した司法制度改革推進計画の中で「弁護士報酬の透明化・合理化をはかるため、個々の弁護士の報酬情報の開示・提供に関し、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。弁護士報酬の透明化・合理化をはかるため、報酬契約書の作成、依頼者に対する報酬説明義務等の徹底に関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う。」と表明したことを具体化するためのものです。内容は、日弁連が「弁護士の報酬に関する標準」は示さない形で、弁護士と外国法事務弁護士の報酬に関して必要なルールを定めるものとなっています。


Q2■ 「弁護士の報酬に関する規程」は、どんな内容のものですか。
A2■ 全6カ条からなっています。
【1】弁護士と弁護士法人の報酬について必要な事項を定めること(1条)、【2】弁護士の報酬は、経済的利益、事案の難易、時間、労力その他の事情に照らして適正かつ妥当なものでなければならないこと(2条)、【3】各弁護士は、報酬の種類、金額、算定方法、支払時期などを明示した自分の報酬基準を作成して事務所に備え置かなければならないこと(3条)、【4】法律事務を依頼しようとする者から申し出があったときは、法律事務の内容に応じた報酬の見積書の作成・交付に努めること(4条)、法律事務を受任する際には、弁護士報酬やその他の費用について説明しなければならないこと(5条1項)、【5】法律事務を受任したときは、原則として、報酬に関する事項やその清算方法を含む委任契約書を作成しなければならないこと(5条2項から4項)、【6】弁護士は、弁護士報酬に関する自己の情報を開示し、また、提供するように努めること(6条)などを定めます。


Q3■ 弁護士が事務所に備え置く「報酬基準」は、どんな内容のものにしたらよいのですか。
A3■ 報酬の種類、金額、算定方法、支払時期その他の報酬を算定するために必要な事項を明示する必要があります。
「報酬の種類」は、法律相談料、着手金・報酬金、手数料、顧問料、日当の他、時間制報酬金(タイムチャージ)などが考えられます。
「金額」は、報酬の種類に応じた金額を明示する必要があります。依頼者との間で個別に締結される契約の前提となるものですので、一定の幅をもったものとなることが多いと考えられます。例えば、離婚事件、手形小切手訴訟、境界に関する事件など、事件の種類に応じた金額を明示した報酬基準を作成することも考えられます。
「算定方法」は、「経済的利益の○%から△%」、「1時間あたり○○円」などと定めることが考えられます。
「支払時期」は、「着手金法律事務を受任したとき」などと定めることが考えられます。
4月1日から現行の「報酬等基準規程」が廃止されることになりました。従って、今まで使いなれてきた現行「報酬等基準規程」を参考にして、各会員がこれと同様の内容の報酬基準を自己の報酬基準とすることは差しつかえありませんが、これを参考にしてあるいは参考にせず自らの工夫をこらして独自の報酬基準を作っていくことが望まれます。


Q4■ 弁護士が法律事務を受任するときには、必ず委任契約書を作成しなければならないのですか。それは、どのような内容にしたらよいのですか。
A4■ 弁護士は法律事務を受任したときは、5条に規定する「委任契約書を作成することに困難な事由があるとき」や「法律相談、簡易な書面の作成、顧問契約等継続的な契約に基づくものであるとき」、その他「契約書を作成しない合理的な理由があるとき」を除いては、契約書を作成しなければならないとされます。現行の報酬等基準規程では「弁護士は、事件等を受任したときは、委任契約書を作成するよう努めなければならない。」(7条2項)と努力義務の規定が置かれていますが、これを、原則として作成しなければならないという義務規定に改めるものです。
委任契約書のひな形については、日弁連弁護士制度改革推進本部で、金額を示さない形で、日弁連弁護士会と会員専用サイトのホームページに2月12日から掲載しますので、これらを参考にして作成して下さい。


Q5■ 弁護士報酬は「適正かつ妥当なものでなければならない。」と規定されますが、「適正かつ妥当」とはどういう意味ですか。
A5■ 会則87条1項は、「弁護士の報酬は、適正かつ妥当でなければならない。」と規定しています。規程2条は、それを敷衍して「弁護士の報酬は、経済的利益、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らして適正かつ妥当なものでなければならない。」と規定します。
このような規定をするのは、弁護士会が弁護士報酬の金額的な標準を示さない制度のもとでも、弁護士報酬が事案の内容や性質、弁護士がその法律事務に費やす労力や時間などからみて適正妥当と評価できる範囲を超えて不適正又は不当な金額とならないよう、その限界を画する意味をもっています。
「適正妥当」という用語は、現在の「報酬等基準規程」の2条、6条2項、9条などで、弁護士報酬の適正さや、妥当性を確保するために定められた規定の中でも用いられています。「適正かつ妥当」の内容は、弁護士報酬に関し何を適正とし、何を妥当とするかという点で、関連する法律制度や判例、社会的な慣行などに基づいて判断されるものと考えられます。金額の多寡だけでなく、報酬額が決まるまでの過程での説明や納得、支払いの時期などに関しても適正さと妥当性が求められると言えるでしょう。


Q6■ 「弁護士報酬に関する自己の情報を開示・提供する」のは、どのようにしたらよいのですか。
A6■ 「弁護士が備え置く報酬基準」を、事務所に掲示したり、必要に応じて来訪者に交付したり、法律事務所のホームページで取り扱う事件を案内する場合にそれに対応する基準の一部を掲載することによって、法律相談を希望したり事件を依頼しようとする人や広く一般市民向けに情報を提供する方法が考えられます。「報酬基準」やその概要全部を一括して法律事務所のホームページに掲載する方法もあります。こうした弁護士報酬情報の開示や提供によって、特定の弁護士に事件を依頼すればどの程度の弁護士報酬を払わなければならないのか明確になります。弁護士報酬が分かりにくいというユーザーサイドからの疑問にこたえていく努力を個々の弁護士がすることが大切です。