児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

2016年09月18日のツイート

裁判員対象事件と隣接罪名の起訴率

出典は検察統計年報「8 罪 名 別   被 疑 事 件 の 既 済 及 び 未 済 の 人 員 −自動車等による業務上(重)過失致死傷及び道路交通法等違反被疑事件を除く−」
 殺人も、放火も、強姦罪も、みんな起訴率は下がっています。
 裁判所の量刑のグラブ
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/80818005.pdf
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/80828003.pdf
の「懲役0年」のとこに、不起訴の件数入れて考えてくれ

殺人 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 1360 685 517 57.0%
2007 1328 610 547 52.7%
2008 1399 593 629 48.5%
2009 1169 486 515 48.6%
2010 1254 379 623 37.8%
2011 1275 385 666 36.6%
2012 1310 332 723 31.5%
2013 1267 311 723 30.1%
2014 1068 321 593 35.1%
2015 1155 321 659 32.8%
現住建造物等放火 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 649 332 240 58.0%
2007 624 289 246 54.0%
2008 502 243 207 54.0%
2009 463 191 209 47.8%
2010 485 187 231 44.7%
2011 482 180 236 43.3%
2012 418 135 218 38.2%
2013 423 146 233 38.5%
2014 404 142 206 40.8%
2015 515 171 264 39.3%
強制わいせつ 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 2947 1495 1069 58.3%
2007 2902 1412 1090 56.4%
2008 2808 1304 1114 53.9%
2009 2747 1335 1006 57.0%
2010 2740 1329 942 58.5%
2011 2821 1280 1117 53.4%
2012 3204 1354 1387 49.4%
2013 3354 1393 1483 48.4%
2014 3385 1325 1609 45.2%
2015 3542 1281 1736 42.5%
強制わいせつ致死傷 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 250 166 51 76.5%
2007 279 157 68 69.8%
2008 284 139 83 62.6%
2009 257 117 95 55.2%
2010 273 106 125 45.9%
2011 266 109 119 47.8%
2012 271 115 118 49.4%
2013 295 136 120 53.1%
2014 287 134 121 52.5%
2015 228 113 84 57.4%
強姦 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 1148 615 444 58.1%
2007 1181 571 535 51.6%
2008 1148 524 534 49.5%
2009 1020 434 518 45.6%
2010 951 414 466 47.0%
2011 854 396 398 49.9%
2012 843 394 354 52.7%
2013 888 371 433 46.1%
2014 879 323 491 39.7%
2015 1021 323 639 33.6%
強姦致死傷 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 390 253 110 69.7%
2007 436 239 156 60.5%
2008 367 198 137 59.1%
2009 308 139 137 50.4%
2010 295 110 148 42.6%
2011 317 128 162 44.1%
2012 286 129 135 48.9%
2013 323 123 173 41.6%
2014 281 85 165 34.0%
2015 217 104 87 54.5%
集団強姦 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 133 66 41 61.7%
2007 116 52 41 55.9%
2008 147 49 48 50.5%
2009 147 68 50 57.6%
2010 146 42 64 39.6%
2011 77 20 42 32.3%
2012 104 25 50 33.3%
2013 118 28 74 27.5%
2014 135 23 91 20.2%
2015 123 18 96 15.8%
集団強姦致死傷 総数 起訴計 不起訴計 起訴率
2006 31 19 8 70.4%
2007 46 23 6 79.3%
2008 29 18 4 81.8%
2009 35 21 11 65.6%
2010 16 2 11 15.4%
2011 26 17 7 70.8%
2012 22 6 8 42.9%
2013 22 9 10 47.4%
2014 29 17 8 68.0%
2015 21 8 10 44.4%

買春相手が後から考えると若くみえたという教員(公務員)の相談につき、弁護士が準備・調整した上で「過失の青少年条例違反の相談」に出向くことにして、警察が売春周旋組織を摘発して、相談者の売春婦を16歳と確認したが起訴猶予になった事例

 取調回数は2回、警察滞在時間はのべ8時間。
 捜査機関は7ヶ月
 児童買春罪で起訴猶予
 懲戒処分なし

大学の部活動の後輩に対して脅迫して全裸になって陰茎を他の部員の頭部等に押し付けること求めた行為を強要罪とした事例(大阪地裁h27.7.23)

 強制わいせつ罪ではありません。

平成27年7月23日/大阪地方裁判所
上記Y1に対する暴力行為等処罰に関する法律違反、強要、傷害、暴行、上記Y2に対する暴力行為等処罰に関する法律違反、暴行各被告事件について、当裁判所は、検察官前川祐樹及び同山田はづき並びにY1の弁護人(私選)福田健次及びY2の弁護人(国選)上田倫史各出席の上審理し、次のとおり判決する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人Y1(以下「被告人Y1」という。)は、平成27年3月当時、学校法人B学園C大学3回生で、日本拳法部主将として後輩部員の指導・育成を図る立場にあった。
また、被告人Y2(以下「被告人Y2」という。)は、当時、同大学2回生で同部員であり、D(当時19歳)は、当時、同大学1回生で同部員であった。
第1 
第2 被告人Y1は、前記Dに対し、かねて暴行を加えるなどして同人を畏怖させていたところ、同月7日午前2時頃から同日午前4時39分頃までの間に、前記Eと共謀の上、前記学生会館3階大広間和室Aにおいて、前記Dに対し、こもごも「頭にDのチンポを擦りつけたら、勃起して、イクんちゃうか。」、「服、脱げや。」、「Fにやれ。」などと言って、全裸になった上で寝ている当時同大学1回生で同部員であったFの頭部等に自己の陰茎を押し付けるように言い、その要求に応じなければ、前記Dの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して更に畏怖させ、よって、前記Dに自ら衣服を脱がせて全裸にさせ、自己の陰茎を前記Fの頭部等に押し付けさせ、義務のないことを行わせた。
第3 被告人Y1は、第2のとおり前記Dを畏怖させていたところ、同月8日午前0時頃から同日午前2時13分頃までの間に、前記学生会館3階大広間和室Aにおいて、前記Dに対し、顔面を2回平手打ちする暴行を加えた上、「これは一気で飲め。」「お前チンコ置いたれ。」「Dおい、F寝てるぞ。」「全裸、全裸、全裸、全裸。」などと言って、多量の酒を一気に飲み、かつ、全裸になった上で酔って寝ている前記Fの顔面等に自己の陰茎を押し付けるよう言い、その要求に応じなければ、前記Dの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して更に畏怖させ、よって、前記Dに洋酒等を一気で飲ませて酩酊させた上、自ら衣服を脱がせて全裸にさせ、自己の陰茎を前記Fの顔面等に押し付けさせ、義務のないことを行わせた。
第4 被告人両名は、同日午前0時頃から同日午前4時頃までの間に、前記E、前記F及び当時同大学の3回生で同部員のGと共謀の上、前記大広間和室Aにおいて、泥酔して全裸で寝ている前記Dに対し、前記Eがライターの炎で陰茎等をあぶり、被告人Y2が竹串を肛門に挿入し、被告人Y2及び前記Fが陰茎を手淫し、こもごも油性マジックで顔面及び腰を塗りつぶす等の落書きをするなどし、よって数人共同して暴行を加えた。

 罰条
  第1、第4の各所為 いずれも暴力行為等処罰に関する法律1条、刑法208条
  第2の所為 刑法60条、223条1項
  第3の所為 刑法223条1項