児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

北國新聞社社説 〔「闇サイト」摘発〕 おとり捜査も必要では

 福祉犯のおとり捜査に限ると、出会い系でおとり捜査官が児童になりすまして誘引行為したとして、それは犯罪かもしれないんですが(真意がないから誘引罪にならないような気がしますが)、それに応じるのは犯罪じゃないわけで、待ち合わせに出てきた相手をその場で逮捕することはできませんね。
 せいぜい、職務質問して、携帯電話を任意提出させて、過去の福祉犯で検挙するしかできない。この程度なら、いままででもやっているんですが、それでもこの検挙実績。
 そこから先というのは、おとりの児童(本物)を立てないと進めませんよね。これはできない。

 福祉犯以外について、闇サイトの犯罪勧誘に入り込むのは、「おとり」というより、潜入捜査。捜査員が殺人の謀議に関与して、実行直前に逮捕するっていうんですか?犯意誘発型?

社説 〔「闇サイト」摘発〕 おとり捜査も必要では 2008.01.18 
 出会い系サイトの規制を強化する法案が通常国会に提出されるのを機に、捜査当局にぜひ検討してほしいのは、インターネット上で犯罪仲間を募集するいわゆる「闇サイト」に対する取り締まりの強化である。現行の法律では、たとえば殺人や窃盗の仲間を勧誘する書き込みをしても摘発されることはなく、事実上野放しになっている。こうした反社会的なサイトを規制するのが難しいなら、「おとり捜査」と呼ばれる捜査手法を活用してはどうか。

 おとり捜査については、四年前の最高裁判決で、「通常の捜査方法のみでは犯罪の摘発が困難な場合」に限り、「機会があれば犯罪を行う意思があると疑われるものを対象に」行うことは許されるという判断が示された。闇サイトの摘発は、この条件に当てはまると思われる。犯罪行為の誘いにのったふりをして、実行直前に摘発する捜査を定期的に行えば、闇サイトは機能停止に追い込まれるだろう。

 昨年夏、闇サイトで出会った三人の男が名古屋市で女性を拉致し、ハンマーで殴るなどして殺害した事件があった。自殺サイトに絡んだ殺人事件も後を絶たない。こうした犯罪を減らすために、おとり捜査を積極的に使ってほしい。

 出会い系サイトの規制については、サイトの運営を届け出制とし、利用者の年齢確認を強化する方向という。出会い系サイトで性犯罪などに巻き込まれた被害者の85%は、十八歳未満であり、規制強化は必要だろう。だが、いくら規制を厳しくしても、犯罪抑止には限界がある。おとり捜査の手法は、出会い系サイトの規制でも威力を発揮するはずだ。

 おとり捜査は、捜査員や捜査協力者が「おとり」となり、容疑者とみられる人物に犯罪を行う機会を与え、犯罪行為を確認して摘発する捜査手法である。麻薬取締法は、麻薬取締官におとり捜査を認めているものの、麻薬以外で、おとり捜査を認める法律の規定はない。

 むろん、国家が犯罪をつくり出し、国民を罪に陥れる危険性も否定できないから、おとり捜査の実施には、石橋をたたく慎重さが求められる。運用規定をきちんと整備したうえで、犯罪抑止に役立てたい。

北國新聞社

「福岡地裁飯塚支部で罰金50万円の略式命令を受けた」という報道。(福岡地裁飯塚支部h19.11.16)

 ほんとなら大変ですね。非常上告しないと。

児童買春の九大職員を諭旨解雇=福岡
2008.01.18 読売新聞社
 九州大は17日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)の罪で略式命令を受けた職員(42)を、「本学及び本学教職員全体の名誉と信用を著しく傷つけた」として、諭旨解雇とした。
 県警の調べによると、専門職員は昨年5月、インターネットの出会い系サイトで知り合った高校1年の女子生徒(当時15歳)が18歳未満と知りながら、3万円を渡す約束をし、福岡市内のホテルでわいせつな行為をしたとして、昨年11月5日に逮捕された。専門職員は同月16日、福岡地裁飯塚支部で罰金50万円の略式命令を受けた。

 日本の刑訴法では、地裁は略式手続の経験がないので、検察官が間違って起訴してきたら、多分、受付で大騒ぎになりますよね。

刑訴法
第461条〔略式命令〕 
簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。

 略式命令の日付とか(どうでもいいような)細かいところまで取材しているのに、「地裁で略式命令出した」とかあり得ないこと書いちゃうんですね。

出所情報が役立たなかった事例

 うまくいくのか知りませんが、うまくいかなかった場合は、事件になるので、表に出ます。うまくいって予防された場合というのは、事件にならないので、表に出ない。

 奥村も「出所後、(欲望に対する自制心を身に付け)再犯を防ぐために病院などで治療を受けるべきだった」と言わせたり、実際に診察受けさせたりして、それは量刑上有利な情状として考慮されるのですが、だいたい、将来の再犯危険の有無とか程度というのを医学的方法で的確に診断できるのかも疑問です。診断できないものを治療するといったとしても、効果は知れていると思います。
 問題意識があるので、とりあえず、なんかやってみているだけです。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20080117-OYT8T00629.htm
性犯罪再犯断ち切れ 男児わいせつに懲役2年 医療・法制度の見直し必要=長崎
 13歳未満の子どもへの強制わいせつで服役した元受刑者の再犯率は23・2%とされる(法務省調べ)。判決などによると、被告は昨年10月6日、迷子になっていた男児(当時8歳)を乗用車に連れ込み、長崎市内の駐車場でわいせつな行為をした。2005年3月に男児への強制わいせつなどの罪で実刑判決を受け、06年11月に仮釈放されたばかりだった。
 今月8日に行われた初公判で、被告は「出所後、(欲望に対する自制心を身に付け)再犯を防ぐために病院などで治療を受けるべきだった」と自省を込めて語った。
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 ただ、「性犯罪者治療の専門医は絶対数が少ない上、採算がとれないため、民間の病院では、ほとんど治療は行われていない」と東京武蔵野病院の精神科医・針間克己氏(性心理障害)は指摘する。「唯一、治療が可能なのは刑務所内での性犯罪者処遇プログラムだ」という。
 法務省は2004年11月に奈良市で起きた女児誘拐殺人事件を受け、06年度から性犯罪受刑者を対象に、受刑者同士が自身の犯行を語り合う「グループワーク」などを行うプログラムを導入した。
 しかし、実施されているのは全国の刑務所76か所のうち20か所。被告が入所していた刑務所には導入されていなかったという。

 また、短期間では十分な処遇ができないといった問題もある。性犯罪の刑期だけを延ばすのは、ほかの罪とのバランスを損ねるため、針間氏は「医療や法制度全体を見直す必要がある」と強調する。
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 「出所後は、警戒していたはずなのに」。被告の入居するアパートがある長与町のボランティア防犯団体代表(71)は、苦悩の表情を浮かべた。近所の住民から被告が近くのアパートに入居したとの情報を入手した田中さんらは、小学校の登下校時を中心に防犯パトロール車で地域を巡回するなど警戒を強化してきた。しかし、事件が起きたのは長崎市内。田中さんは、民間団体のみによる防犯の限界を感じた。
 法務省は05年6月、13歳未満の子どもに対する性犯罪者の出所情報を警察庁に提供を始めた。情報は全国の警察に通知されるが、警察が住民に情報を提供することは禁止されている。
 全国犯罪被害者の会あすの会)顧問の諸沢英道・常磐大教授(少年法)は「出所情報の公開は、人権にかかわるだけでなく、出所者の社会復帰を妨げる危険をはらむ」とし、「出所者を受け入れる企業や住民など、更生に協力する人たちにのみ情報を提供し、見守ることで再犯防止につながるはず」と訴えている。(松浦篤、川口知也)

相手に内証で性行為録画した男に無罪判決(イタリア)

 行為者が日本人で、相手が児童の場合は、3項製造罪(姿態をとらせて製造)が問題になります。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/116656/
[ローマ ロイター] イタリアの最高裁判所が、相手に内証で性行為をビデオ録画することは違法でないとの判決を下した。
 最高裁は、交際相手の女性に内証で2人の性行為をビデオカメラに録画した49歳の男性に対して懲役4カ月を言い渡した下級裁の判決を覆し、この男性に無罪判決を言い渡した。判決理由として、男性が録画した映像を第三者に配布していないことを挙げている。

 こういう条文です。↓

第7条(児童ポルノ提供等)
3 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項と同様とする。

 立法者の解説では「姿態をとらせ」は処罰範囲を限定する趣旨で、盗撮とかダビングを除外することになっていましたが、最高裁h18.2.20は撮影者による複製行為にも拡大しました。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/6B7F594227E6068D4925711D00479488.pdf
 無断撮影に3項製造罪(姿態とらせて製造)を適用した地裁判決もあるので、盗撮にも適用されてもおかしくありません。

 立法担当者の解説書は否定されてしまって処罰される人も出ていて、こういうのって一番困りますよね。罪刑法定主義だとかの理屈は抜きにして。
 最初から抽象的文言にして、処罰範囲をわざとぼかして、萎縮効果を狙うわけでもなし、処罰範囲を限定する趣旨で文言を足したのに、裁判所がわざと読み飛ばすというのでは裁判所が信用できない。

幼虫チョコ・成虫チョコ・イモムシチョコ・・・

 本物とチョコを混ぜてみせるとおもしろそうですね。

http://komatuya-h.jp/pitem/80215790
【お客様へのお知らせ】
かぶと虫の幼虫チョコレート / かぶと虫の幼虫チョコレート 大人の味 / ヨウチュウ・ベジ・パックン / いもむしゴロゴロ / ベジキング
以上の商品は、注文殺到のため、現在ご注文いただいても3月以降のお届けとなります。
あらかじめご了承いただきますようよろしくお願いいたします。

追記
 所謂バレンタイン関連の話題なんですね。
 「3月以降」なんて言ってると商機逃してしまいますね。