児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

自民党人身取引・児童買春等対策特別委廃止

 牽引役が去っちゃうとこうなりますか。
 このいい加減な法律の苦情はどこへ持って行けばいいんでしょう?

http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/seiji/20051107/20051107ia22-yol.html
【廃止】
▽調査会 行財政、総合経済、労働、国土開発、首都機能移転都市政策
▽特別委員会 定期借家権等、人身取引・児童買春等対策、繊維対策、自動車交通対策、水資源開発、東京湾開発
【統合】
▽特別委員会 原子燃料サイクル=電源立地等推進調査会へ、磁気浮上式鉄道=整備新幹線等鉄道調査会へ、地球環境=環境調査会へ

用済みだそうです。

http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20051108/m20051108005.html
関連法の整備が進んだ人身取引・児童買春等対策特別委員会など役割を終えたものが中心だ。

父殺された女性に遺族給付なし…監禁中“時効”と

 奥村弁護士がもっている法文では「事件発生から2年」という規定はありません。
 条文にもないことだから「請求できることができるようになった時点から」とか柔軟に対応できるんじゃないでしょうか?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051107-00000001-yom-soci
現行の犯罪被害給付金制度では、申請期限は「事件発生を知ってから2年以内」と定められており、県警は女性が父親殺害を目撃した1996年を起点に計算したという。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S55/S55HO036.html
犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(旧・犯罪被害者等給付金支給法)
(目的)第1条 この法律は、人の生命又は身体を害する犯罪行為により、不慮の死を遂げた者の遺族又は重傷病を負い若しくは障害が残つた者に対し犯罪被害者等給付金を支給し、及び当該犯罪行為の発生後速やかにこれらの者を援助するための措置を講ずることにより、犯罪被害等の早期の軽減に資することを目的とする。

(時効)第16条 犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利は、2年間行わないときは、時効により消滅する。

ブログで自滅する人々(第3回)〜彼らはなぜ「祭られた」のか?

いろんな理由で弱いところを突いているように思います。

http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20051102/114129/
ネットオークションへの出品が原因となった「祭り」もある。P2Pファイル交換ソフトを出品していた人物が「掘られた」結果、九州の公務員であることが判明して祭られ、さらなる「発掘作業」によって児童ポルノ画像販売やマルチ商法への関与といった疑惑が芋づる式に持ち上がってしまった件

掲示板管理者の刑事責任は幇助犯

 ある事件で、通りすがりに投稿されて、検察官はそれが管理者も共謀共同正犯だと主張されています。
 投稿者と特別に共謀がない限り、投稿者が正犯で、管理者は幇助だと思います。
 弁護人独自の見解じゃなくて、裁判例があるんだよということで、こんな裁判例を証拠請求したら、信用できないって不同意にされました。
 仕方がないので、謄写状況について報告書を書きました。

平成17年11月7日
地方裁判所刑事部御中

弁護人 弁護士 奥 村  徹   

同種事件の裁判例(新潟簡裁事件)

1 報道
 掲示板管理者Aは陳列罪の幇助で、投稿者のBCDは陳列罪の正犯として逮捕され送検されたと報道された。

ネット上でわいせつ画像陳列容疑 新潟西署など3人を逮捕=新潟
1999.12.21 東京朝刊 24頁 (全234字 
読売新聞社

電子掲示板管理者を逮捕  わいせつ画陳列ほう助で 
2000.01.12 共同通信 (全589字) 
 新潟県警ハイテク犯罪対策室と新潟西署は十二日、わいせつ画像を見せる目的でインターネットに電子掲示板を開設、管理したとして、わいせつ図画公然陳列ほう助の疑いでA容疑者を逮捕した。
 同県警によるとインターネットの電子掲示板の管理者を、同罪のほう助容疑で逮捕したのは全国でも初めてではないかという。
共同通信社

2 確定判決(新潟地検
 弁護人は、別件刑事事件(横浜地裁事件)の弁護のために、刑事確定訴訟記録法に基づき、新潟地検の保管検察官の許可を得て、平成16年10月8日、新潟地検において上記4名の判決書を閲覧・謄写(弁護人自らスキャナーで記録する方法)した。
 次のように、管理者は幇助、投稿者は正犯として略式命令を受けたことが判明した。
①掲示板管理者A=陳列罪幇助(共謀なし)
 略式命令 新潟簡裁

同月10日ころ、右サーバコンピュータに、画像情報を投稿することにより自動的にその画像が掲載されて不特定多数の者が閲覧可能となる電子掲示板を右Aら不特定多数の者が男女の性器、性交場面が露骨に撮影された画像を投稿することを知りながら、右会社従業員Eに命じて右サーバーコンピュータに設置されたハードディスク内に記憶蔵置させて開設し、もつてこれを幇助したものである。

②投稿者B=陳列罪正犯(共謀なし)
 略式命令 新潟簡裁
③投稿者C=陳列罪正犯(共謀なし)
 略式命令 新潟簡裁
④投稿者D=陳列罪正犯(共謀なし)
 略式命令 新潟簡裁

3 新潟地裁事件のまとめ
 通りすがりの投稿者と掲示板管理者には、共謀関係は認められず、管理者は幇助として処理される。
 まさに被告人の行為と同様であるから、同様に処理されるべきである。

自衛隊病院の個人情報流出 空自幹部「ウィニー」で

で、どう収拾するんでしょうか?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051107-00000099-kyodo-soci
受診者数十人のデータを誤って流出させた。総務省の情報セキュリティー対策チームが流出を確認、陸自に通報した。

「わいせつ画像が画面にぽんと出てきて、見えた時点でわいせつ物の陳列というのではなくて、保管しているだけでもうわいせつ物の陳列になってしまうというような規定」高山智司君(民主党)

 そんなこと言ってないですけど。
 議員は法案をどう読んでいるのか? 

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000416320051026008.htm
第8号 平成17年10月26日(水曜日)
衆議院法務委員会


○山下参考人 私は、日本弁護士連合会国際刑事立法対策特別委員会の事務局長をさせていただいております山下と申します。
 (中略)
 次に、刑法百七十五条のわいせつ物頒布等の罪の改正案について意見を述べます。
 改正案は、現行法が使用している頒布という概念を現行法とは全く異なる意味で使用することにしており、捜査現場における混乱を招くおそれがあります。
 また、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律七条一項後段は、改正案に対応する部分について、「電気通信回線を通じて」「児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者」と規定しており、両者の規定ぶりが異なっておりまして、この点でも捜査現場における混乱を招くおそれがあります。
 この点につきましては、既に成立している児童ポルノ処罰法が使用している電気通信回線を通じて提供というような用語に統一するか、公衆送信というような新しい用語に統一するなど、構成要件の仕方を改めることが望ましいと考えられます。


○山下参考人 この点は、不正指令電磁的記録等作成の罪に関して、当委員会の議論の中でも、南野法務大臣自身が、条約よりも広い処罰範囲を定めているものであるという答弁をしているところでありまして、明らかに広いです。
 今回の法案全体についてですけれども、条約が求めるものをかなり超えたものがございます。また、わいせつ罪の改正はサイバー犯罪条約とは関係のない改正でございます。そういう意味で、条約と比べるとかなり広い規制をしようとしていると言えます。
 それで、世界的なといいますか、インターネットの規制に関しては、これは国境がないことでありまして、日本だけが悪いとか、どこが悪いということはなくて、結局インターネットは世界がつながっておりますので、日本だけ状況が悪いということは逆に言うとないわけでありまして、それは世界共通であるということでありまして、日本だけがサイバー関係で厳しい規制をしなければならないという立法理由はないと考えます。


○高山委員 私、今両参考人のお話も伺っていて、どうも今回のこの刑法の改正は、条約で確かに全世界的にサイバー犯罪を取り締まる必要がある、だけれども、それに乗じて何かどんどん捜査手法をふやして、我々の、一般市民のインターネット社会がより窮屈になるんじゃないかなという印象を受けました。けれども、きょうは参考人質疑でございますので、それはまた後日、また来年にも引き続き議論をしていかなきゃいけないことだと思っております。
 ちょっと、個別の話を伺います。
 わいせつのデータが今度処罰化されるというような話がありました。これはまた両参考人に伺いたいんですけれども、わいせつ画像が画面にぽんと出てきて、見えた時点でわいせつ物の陳列というのではなくて、保管しているだけでもうわいせつ物の陳列になってしまうというような規定がございます。
 これは、例えばわいせつな本を売っている町の本屋さんで、自動ドアがぱっとあけばそういう本が見えてしまうという本屋さん、当然あると思うんですけれども、これは、では自動ドアがあけば見えてしまうぐらい簡単な、見えないようにしているだけなのでわいせつだということになってしまうのでしょうか。それとも、私はちょっと、ただ保存しているだけでもわいせつ物の陳列に当たるというのはやや行き過ぎではないかと思いますが、長沼先生からどうでしょうか。
○長沼参考人 これまた私の意見陳述の対象である手続法の分野を超えた質問でございますけれども、私の一応学問上の見解といたしましては、刑法のわいせつ物の陳列というのは、不特定または多数の人が認識できるような状態に置くということで足りるというふうに思っております。
○山下参考人 今質問にありました、保管しているだけで今回犯罪化されているわけではないと思います。
 今回の法案は、インターネット上で要するにわいせつ画像が画面上で見える、これは従来、判例上は公然陳列であるというふうに理解されてきました。刑法は先ほど言ったように有体物を前提としておりますので、陳列というのは、画像の陳列ではなくてサーバーの陳列ということになるんですけれども、そのような概念でとらえていたのを、今回、電子メールで画像を送信してもこれは頒布になりますよということをつけ加えたのであって、保管自体が直ちに今回処罰されることになったのではないと理解しています。


○保坂(展)委員 では、最後に山下参考人に、わいせつ物に関しても、ホームページ上で陳列ですか、そして今度、メールで頒布、いろいろ概念が錯綜していたりとか、これは、かなりわいせつ物をめぐって拡大をしていくんじゃないだろうかという危惧を述べられたかと思いますが、その点を一言伺って終わりにしたいと思います。
○山下参考人 先ほども言いましたが、現在は公然陳列という概念でホームページで閲覧することをとらえていて、今回、電子メールで送信するものは頒布というふうにとらえようとしているんですが、実は、コンピューターの技術上はどちらも全く同じことが行われておりまして、それを一方で公然陳列、一方では頒布という概念というとらえ方をするのは、私は、間違っているというか理論的に正しくないと思うので、本来であれば、ここできちっと概念を整理し、現代のこういうコンピューター時代に対応した規定をつくるべきだったと思うんですが、判例の解釈を引きずり、少し継ぎはぎをした形での立法がされようとしているということもあって、法案の決め方がかなりあいまいになってしまった。
 その結果、濫用されるというとおかしいのですが、わいせつかどうかというのは別ですけれども、どういう場面で適用されるか。例えば、一対一の通信の場合にも適用されるかどうかというのは必ずしも明確ではないのですが、この法案でいくとそれも適用される可能性がある。では、それがどうして頒布なのかというような問題も含めて、今回の法案ではその辺が必ずしも明確になっていないと思いますので、処罰範囲についてもう少し明確な規定をするべきであると考えます。

愛知県警の活躍

 ご活躍ですが、↓の事件の被疑事実は犯罪を構成しない。

http://www.pref.aichi.jp/police/safety/high-tech/jikenbo.html
わいせつ図画(物)販売被疑者を逮捕
平成17年8月、自分の全裸写真を携帯電話の下着販売サイトで販売した岐阜県各務原市の美容師見習いを逮捕しました。