児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

Peer-to-Peerの情報セキュリティの課題

2001年の論文です。

論題 Peer-to-Peerの情報セキュリティの課題
著者 井戸田 博樹 (イドタ ヒロキ)

請求記号 Z3-338
雑誌名 大阪大学経済学
Osaka economic papers
出版者・編者 大阪大学経済学会
巻号・年月日 51(3) (通号 156) [2001.12]
ページ 22〜34

ISSN 0473-4548
本文の言語コード jpn: 日本語
キーワード P2P
雑誌記事ID 478485700

技術的には.社外との通信においてP2Pソフトの利用をfirewallなどで全面禁止するこ
とは可能である。
しかし,コントロールを強くすると企業のオープン性を阻害することになる。企業は,社外からさまざまな情報を得て.顧客をはじめとする社外の人々の協力により,新たな事業を創造しなければ経営上の機会を逸することになりかねない。そのため企業は.アドホックにかつ,不特定多数の内,信頼のおける限定された人々や企業との間で情報を提供し共有することが必要であり,その通信基盤として今後情報セキュリティ面でも充実してくるであろうP2Pソフトの活用を検討すべきである。また.コンピュータ資源の有効活用の面からも活用を検討する必要がある。
企業はP2Pの技術動向に注目し,その利便性とコントロールバランスをとり,それを経営に役立てなければならないのである。
大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程)

児童ポルノ製造行為

 旧法の事件で、販売等の目的がないから製造罪は立たないわけですが、動かぬ証拠になるわけですし、量刑も重くなります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040821-00000013-mailo-l02

児童買春の元秋田県警警官に、懲役2年6月求刑−−地裁公判 /青森
2004.08.21 地方版/青森 23頁 (全323字) 
 検察側は「被害者を撮影し、画像をファイルに整理し保存するなど、犯行は悪質で、被害者の健全な育成に悪影響を与えた」と論告した。
毎日新聞社

改正法・現行法における児童ポルノ罪の罪数

 7条1項で特定少数への一回性の提供も犯罪とされました。これは反復継続を予定していないから、1回1罪。ポツポツと2回すると2罪で併合罪(〜4.5年)。
 4項の公衆への提供が数回行われた場合は、高裁レベルで一罪説(大阪高裁)と併合罪説(東京高裁・大阪高裁)に別れています。
 しかし、公衆への提供罪は法定刑5年ですよね。
 組織的とか、継続反復とか、常習性とかを考慮して5年というんでしょうが、特定少数への提供罪が併合罪となった場合とのバランスを考えると、併合罪にしないと、「組織的とか、継続反復とか、常習性とか」が反映できませんね。
 結論として、複数回の提供は併合罪

 現場では、当分、誤って一罪で処理しようとする事案が続出すると思われる。奥村弁護士に見付かると餌食となろう。
 逆に、併合罪で処理すると、わいせつ図画の判例に違反するように見えるので、そこも争われる。これは、ベテラン裁判官が「?」と気付く。

http://www.ron.gr.jp/law/law/jidou_ba.htm
児童ポルノ提供等)
第七条 児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
2 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
3 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項と同様とする。
4 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
5 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
6 第四項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。

新潟県弁護士会高田支部

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040820-00000034-mailo-l15
上越市、合併してますから駅名でいうと直江津とかですね。
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&el=138/14/30.548&nl=37/06/53.635&scl=500000&coco=37/06/52.040,138/14/30.548&icon=mark_loc,,,,,&grp=all
 昔、高田支部の保管検察官からハイテク犯罪の判決書が開示されましたが、謄写業者が居ないので、上越市内の法律事務所に依頼したことがあります。
 最初は受けてくれたのに、後日「わしが弁護人やった事件じゃ。利害相反じゃ」といわれて断られた。他の弁護士にも軒並み断られて、結局、自分で新潟地検高田支部でコピーしました。
 新潟県支部管轄の警察署の被告人から「選任済の国選弁護人が全く来ないので、奥村弁護士に依頼したい。」という連絡を受けたこともあります。
 別に、文句があるわけじゃないですよ。大阪府内の状況と違うなあという話ですよ。
 こんな土地じゃ、ハイテク犯罪でもなんでもいっしょですよね。別に、文句があるわけじゃないですよ。

「26年前に殺害」と男が自首、被害女性は特定失踪者

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040822-00000313-yom-soci
「家が取り壊しになれば、遺体が見つかり、事件が発覚すると思った」というのが自首の動機。お盆で霊が戻ったとかとか、枕元に立ったという動機ではないらしい。
 弁護士に相談してくれれば、普通は「民事も刑事も時効だから自首するまでもない」と回答するでしょうね。

 実行の着手を一番早い時点に設定して公訴時効を主張している事件がありますが、公訴時効は停まりますので、外国渡航とか調べないと公訴時効はなんとも言えませんよね。

第254条〔時効の停止〕
時効は、当該事件についてした公訴の提起によつてその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める。
②共犯の一人に対してした公訴の提起による時効の停止は、他の共犯に対してその効力を有する。この場合において、停止した時効は、当該事件についてした裁判が確定した時からその進行を始める。

第255条〔同前〕
犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつた場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する。
②犯人が国外にいること又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつたことの証明に必要な事項は、裁判所の規則でこれを定める。

人骨と言えば、これも一応、殺人事件だと思うが、捜査は遂げたのだろうか?
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=UTF-8&c2coff=1&q=%E5%BA%9C%E8%AD%A6%E6%9C%AC%E9%83%A8%E3%80%80%E4%BA%BA%E9%AA%A8&lr=

武田 誠「猥褻物頒布・販売罪--刑法175条」

 刑法175条について、文言上公然性が要求されていないのにという指摘があります。
 児童ポルノ罪は、法益が違いますから、不特定多数性・公然性は必ずしも要求されません。
 その意味で、現行法が公然性を要求しない陳列罪を設けなかったのは、規制漏れですね。 
 電磁的記録が客体になりましたから、公然性も各々の電磁的記録毎に要求されます。このデータはaのみに、このデータはbのみにというと公然性がないことになり、潜脱できます。

論題 猥褻物頒布・販売罪--刑法175条
著者 武田 誠 (タケダ マコト)
請求記号 Z2-17
雑誌名 関西大学法学論集
The Law review of Kansai University
The Hogaku ronshu
出版者・編者 関西大学法学会 / 関西大学法学会 編
巻号・年月日 39(6) [1990.03]
ページ p1595〜1649

ISSN 0437-648X
本文の言語コード jpn: 日本語
記事分類コード B62
雑誌記事ID 131694100

若干の考察
判例によれば、頒布、販売とはそれぞれ不特定または多数の人を相手にする無償、有償の交付、公然陳列とは不特定または多数の人の観覧することのできる状態におくことを意味することが、これまでの考察で明らかになった。頒布、販売については文言上公然性が要求されていないのであるから、特定の一人を相手に一度の無償あるいは有催の交付がおこなわれたとしても、頒布、販売罪が成立すると解釈されても不思議ではないはずである。にもかかわらず判例の解釈によれば、嶺布、販売についてもその相手方が不特定または多数人であるとされている。そのように解釈する必要があるとされる根拠についてもすでに明らかにしておいた。すなわち、たとえば⑦判決によれば、刑法一七五条の保護法益である社会生活上の秩序の維持のため猥喪物が公表されることを禁止する必要がある、つまり、それが広く社会にいきわたることを禁止する必要がある。そこで販売罪(ならびに頒布罪)が成立するためには公然性が要求されるというのであった。結局判例によれば、社会生活における性秩序の維持という前提のもとに、それが抽象的にも危胎化されれば処罰が必要である、という論理が提示されているもののように思われる。