児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「北総線 8時6分 小室駅発 2両目座席」というメルカル商品とショバヤ行為

 迷惑条例では「ショバヤ行為」という伝統的な迷惑行為ですが、最近の検挙事例は見かけません。
 ネット上で募集する行為が「公共の場所又は公共の乗物において、」と言えるかは疑問ですが、最終的には当該列車において落札者と席を替わることになるので、その部分は「公共の場所又は公共の乗物において、」に掛かると思います。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190610-OYT1T50013/?fbclid=IwAR0BmV0YNgGqbs0IdYr6OLQKcm8S6bu7QJDID3N2xJAj4Dh6YPMx2WsDgkI
フリーマーケットアプリ「メルカリ」に、通勤ラッシュ時の列車の席に座る権利が1800円で出品されていたことがわかった。出品者側が事前に席取りして譲る仕組みだが、鉄道会社によると、公共交通機関の座席を不当に与えることを禁じた自治体の条例に抵触する可能性があるという。メルカリは商品を削除した。


 対象の列車は、千葉県印西市と東京都葛飾区を結ぶ北総鉄道北総線。メルカリや北総鉄道によると、「北総線 8時6分 小室駅発 2両目座席」という商品名で今月4日頃までに出品された。出品者側が3日間座席を確保し、乗り込んできた購入者が購入画面を見せると、譲るという内容だ。

 メルカリは利用者からの通報などで把握し、サービスなどの出品を禁じた自社のガイドラインに基づき、購入される前に削除した。

 北総線は都営浅草線などと直通で、新橋や品川にも向かうため多くの通勤客が利用している。座席は自由席しかない。東京都や千葉県の迷惑防止条例は鉄道などでの「座席等の不当な供与行為」を禁止しており、北総鉄道は「こうした行為がまかり通ると、本来座れる人が座れなくなる。やめてほしい」と訴えている。

千葉県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例解説(2015年12月)
(座席等の不当な供与行為(ショバヤ行為)の禁止)
第9条
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、不特定の者に対し、みだりに、座席、座席を占めるための行列の順位又は駐車の場所を占める便益を対価を得て供与し、又は供与しようとしてはならない。

〔本条の趣旨〕
第9条は、座席等の不当な供与行為、いわゆるショバヤ行為の禁止規定である。本条は、特定の者の利益目的のために、県民の権益、すなわち、何人も自由に、又は先占の順序に従って利用すべき座席等の利用の機会均等を阻害する行為を規制しようとするものである。
〔本条の規定する罪〕
1座席等を対価を得て、不特定の者に供与する罪
2座席等を対価を得て、不特定の者に供与しようとする罪
解説
1 「座席」とは、座るために設けられた場所又は設備をいう。いす、ベンチはもちろん、ござ、むしろ等が敷かれた場所を含む。
2 「座席を占めるための行列の順位」とは、座席を占めるために並んだ列の順番をいう。並ぶことによって、必ず座席を占めうるものである必要はなく、座席を占めることを期待し、又は占める可能性があれば足りる。
したがって、その順番の前後を問わない。供与の目的である行列の順位を、座席を占めるためのそれに限定する趣旨である。
その主たる目的が他にある場合、例えば、単に物品購入のための行列の順位は、本条の対象とならない。

3 「駐車の場所」とは、駐車することができる場所をいう。
駐車とは、道路交通法第2条第18号にいう駐車に限らず、道路交通法上の停車を含む。
したがって、5分を超えない時間内の停車についてのショバヤ行為であっても、当然、本条の処罰対象となり得る。
4 「占め」とは、必ずしも占拠することを要せず、事実上、自己の支配下におけば足りる。
したがって、その周辺をぶらつきながら他人が利用しようとすれば、それを排除するような動作もこれにあたる。
5 「便益」とは、本来、都合のよいとか、便利なことを意味するが、ここでは、座席などを占めることによってもたらされる利益をいう。
6 「対価」とは、座席等の供与と相関関係にある反対給付としての経済的利益をいう。対償又は報酬と同義である。
反対給付は、必ずしも金銭に限らないが、供与と対価関係にあることを要するので、単なる謝礼を含まない。
しかし、謝礼であるかないかは、その名目によらず、実質に従って判断すべきである。
7 「供与」とは、金銭、物品、その他便益を提供することであり、ここでは、座席とか、駐車の場所の便益を提供することである。
8 「供与しようとして」とは、供与する行為の未遂的形態をいう。
〔本条と他の法令との関係〕
1軽犯罪法との関係
本条と軽犯罪法第1条第28号(追随等の罪)又は第32号(立入禁止場所等進入の罪) との関係は、観念的競合である。
2道路交通法との関係
本条と道路交通法第44条(停車及び駐車を禁止する場所)又は第45条(駐車を禁止する場所) との関係は、法条競合である。
3鉄道営業法との関係
本条と鉄道営業法第35条(物品の販売、勧誘等の罪)又は第37条(立入りの罪) との関係は、観念的競合である。
4物価統制令との関係
本条と物価統制令第9条の2 (不当高価契約の禁止) との関係は、観念的競合又は併合罪である。